中東は武装集団ハマスがイスラエルを攻撃、再び戦火。イスラエル在住の日本人が避難を希望、政府は民間チャーター機を派遣。この使用料金(搭乗料金)が1人3万円という。松野官房長官は「妥当な料金でした…」と報告。ここまで来たら日本の政府は「不戦の敗」。
太平洋戦争終結の78年前、戦地で敗戦を知るや、国の指示により素直に武装解除した日本兵は、在外邦人の引き揚げに警護の術を自ら放棄。母国の帰路に着いた邦人の多くは殺害掠奪の地獄を味わった。いわゆる「棄民思想」が今だに残っているようだ。
在留邦人への安全確保意識の希薄さは、北朝鮮の拉致被害者問題の「放置」状態を誘発、未だに解決の手段を得ていない。それでは我が国は代々、民間人を冷遇する歴史を有するかといえば、そうではない。古い話しだが日露戦争当時、東北、北海道の漁業者が北海道周辺で操業した際、当時の帝国海軍が護衛艦を派遣してロシアの挑発に備えた。太平洋戦争開戦前は、満蒙開拓団に対し、当地のテロ集団からこれを守り、台湾はじめマレー半島、シンガポールや南洋諸島では邦人護衛は当然の責務としてこれに当り、外地開拓団は自警の意識も当然強固なものがあったという。
話を「ガザ」に戻す。イスラエル在住で避難を希望した日本人8人は、政府チャーター機でテルアビブからUAEのドバイまで移動して1人当たり3万円。命の対価に3万円のお支払いだ。
一方、韓国は空軍の多目的空中給油輸送機をドバイに派遣。テルアビヴから韓国の城南(ソンナム)空港まで163人の韓国民を無事生還させ、席に余裕があったというが、日本人に希望者を募ったところ51人、さらにシンガポール人6人計220人を韓国内へ。韓国はといえば、前大統領時代反日嫌日の極政だった。両国関係が尹大統領の就任で一気に大変化。日本人救出という、ここまで変貌した。感謝しかない。また日本のマスコミといえば、「ジャニーズ」の性被害をことさら深掘りして、マスコミ自体の「見て見ぬフリ大反省」をくり返す。
政府の「官尊民卑」の志向はもとより、我々国内の日本人自体、在外邦人に対する意識も低いのでは。当事国と日本との民間の国際親善、交流事業に携わる人々に対する敬意が少しばかり足りていないのではないか?この3万円搭乗券、少しも問題視しないマスコミ自体が「平和ボケ」しているのではないか。
母国の地を1人でも多くの同胞に、再び踏ませるため、武装して紛争国に乗り込んだ韓国の行動力、見事だ。19日は、今度はお返しとして日本の空自が韓国民の避難支援。「早計」か。日韓親善交流の再起動と記せば。
(陽)