国東半島宇佐地域の農業遺産

日出町で鹿鳴越連山ミニトレッキングを体験

 一般社団法人豊の国千年ロマン観光圏(会長・日置伸夫別府市観光・経済部長)と国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会(林浩昭会長)は26日午前9時半、日出町で国東半島宇佐地域農業遺産GIAHS(ジアス)ガイド育成研修会を開催した。9人が参加した。
 令和3年度と4年度に認定を受けたジアスガイドが、実際のツアーや視察での対応時に自信を持ってガイドが出来るように、より実践的な部分の研修を受け、世界農業遺産について理解を深めてもらうのが目的。また、地域で観光ガイドとして活躍している人に知識を身に着けてもらい、新たなジアスガイドとして認定を目指してもらう。
 世界農業遺産は、国連食糧農業機構(FAO、本部・ローマ)が2002年から認定しているもので、伝統的な農業と農業によって生まれ、維持されてきた土地利用(ため池や水利施設等)、技術、文化風習、風景、それを取り巻く生物多様性の保全を目的としており、世界的に重要な地域の農林水産システムを対象としている。7月現在、24国78地域が認定されている。日本は15地域で、大分県では、国東半島宇佐地域が「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」として、2013年に認定されている。
 対象地域は、豊後高田市、杵築市、宇佐市、国東市、姫島村、日出町の6市町村。クヌギ林やため池が降雨の少ない年でも、水田農業を可能とし、瀬戸内海沿岸域生産性を持続的に維持している。農林水産業と関連した人々の営みの次世代への継承やジアスブランドを活用したものづくり、交流人口の拡大などによる地域の元気づくりに取り組んでいる。ジアスガイド育成は3年目で、これまで19人が認定ガイドとなっている。
 午前9時半、日出町の川崎地区公民館で座学が行われた。林会長が「今年で認定から10年になるが、なかなか概念は伝えられていないと思う」とあいさつし、世界農業遺産の概念について講話した。
 引き続き、フィールドワークを実施。ひじ里山を愛するガイドの会が、山田湧水から経塚山までの鹿鳴越連山ミニトレッキングを案内。参加者は、湧水の湧き出ている場所を見るなど、自然を満喫しながら、ガイドの仕方などを学んだ。
 研修会は残り2回で、次回は国東市地域、最終回は杵築市地域で座学と体験学習を行う予定。