別府市議会は2日午前10時、本会議場で令和5年第2回臨時会を開き、新図書館建設にかかる補正予算案を審議した。
長野恭紘別府市長が「新図書館外新築工事については、10月17日に開札を行いましたが、予定価格超過により不落札となりました。新図書館は、当初の計画では、令和5年度末に開館の予定でしたが、新型コロナ感染症の影響により既に2年延期となっており、市民や図書館利用者、図書館構想の推進に御尽力いただいた関係者など多くの人が開館を心待ちにされているなか、これ以上の延期は避けなければなりません。また、着工時期が遅れることにより、建設資材等の高騰による事業費のさらなる増加や、建設業の人手不足、物資・建設資材の調達遅延による更なる完成の遅れなど、今より状況が悪化する可能性が高いことが見込まれる」とし、現状の物価情勢や社会経済情勢などを踏まえ、設計金額を見直し、新図書館等建設事業に係る債務負担行為を補正することを説明した。追加額は、5億3971万7千円で、補正後の債務負担行為限度額は、43億5851万1千円となる。
安部一郎氏(自民新政会)、美馬恭子氏(日本共産党)、塩手悠太氏(有志の会)が議案質疑を行った。
安部氏は、「参加しやすい状況を作るために、再入札の変更は」と質問。
立川誠総務部参事兼契約検査課長が「現在は、白紙だが、より多くの業者が参加できるようにしたい」と答えた。
積算の仕方について、登根澄施設整備課長が「不落札の結果を受け、建築工事費の動向の確認、メーカーなどに最新の価格を聞き取った。コロナ5類移行で経済活動の回復、民間の建設需要の増加、人手不足、建築資材高騰などがある。2、3カ月で急騰している」と説明した。
安部氏は「必ずしも市民生活に不可欠とはいえない図書館の建設をどうして急ぐのか」と重ねて質問。
古本明彦教育部長は「図書館は、教育、福祉、健康、アートなど暮らしを豊かにする。何より、未来の子どもにとって必要不可欠な施設」と述べた。
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美馬氏は、「今の時期に工事を始めないといけいない理由は何か」と質問。
森本悦子教育政策課長が「図書館は、知識社会を支え、豊かな日々を支え、子どもたちの未来のためにも必要。すでに2年延期しており、さらに資材高騰が懸念される」と答えた。
美馬氏は「市民も期待はしているが、今ある図書館に対しても意見がある。今の場所が便利、今の場所で発展させてほしいという意見があった。新規の建設を急ぐことが大切なのか。もう少ししっかり議論できる時間があればよかった。再入札をして必ず手をあげてくれる業者があるのか分からない」と指摘。再入札が不調になった場合についても質問。
立川参事が「原因を検証し、対応を検討することになる」と答えた。
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塩手氏は「図書館は、市民の文化芸術の向上につながり、幸福につながるものと思っている」としながらも、「様々な議論をしたと思うが、規模を少し小さくする選択肢もあったと思う。当初の価格通りで工事をする方が市民の理解も得やすかったのでは」と質問。
森本課長が「計画を基に設計した建物の規模を縮小すると、必要な機能を損なう。多くの市民の期待に応える判断をした」と答えた。
長野恭紘別府市長が「優先すべき課題は沢山あるのはもちろんだが、それらも遅延なくやっている。設計変更すると、その間にさらに建設費が合わなくなって、設計変更をするの繰り返しなる」とし、総合的な判断だったとした。
その後、表決が行われ、賛成21人、反対2人、1人欠席で原案とおり可決された。