1月26日の「第70回文化財防火デー」を前に20日午前10時、日出町大神の住吉神社で文化財防火訓練が行われた。約30人が参加した。
「文化財防火デー」は、昭和24年1月26日、世界最古の木造建築として知られる法隆寺金堂が燃え、壁画が焼損する事件を受け、災害から文化財を守るため、翌25年に「文化財保護法」が制定された。30年に1月26日を「文化財防火デー」とした。
住吉神社は、海上安全国中守護のため、貞和3(1347)年に泉州堺住吉神社から深江に勧請され、地元の大神氏の氏神として崇敬されたとされている。その後、大神氏の衰退と共に荒廃していったが、貞享3(1681)年に日出藩の第3代藩主・木下俊長公によって現在の場所に再建され、藩主の崇敬7社のうちの1つとされた。人間魚雷「回天」の基地が大神地区にあったことから、拝殿の東には回天神社もある。
堀川英志教育長が「文化財は、自然災害には脆弱な部分があります。被災すると、復元は困難を要します。文化財を後世に残すためにも、地域、行政、関係者が協力することが必要です」とあいさつ。
神社の裏手の樹木に落雷があり、火災が発生した、との想定で訓練が行われた。火事を発見した総代が消防に連絡すると共に、重要物品を入れた箱を持ち出した。到着した日出消防署と消防団の隊員が一斉放水をした。参加者は、キビキビとした動きで連携をとりながら、消火活動を行った。
終了後、本田博文日出町長は「住吉神社は、歴史ある建物であり、のちの時代に引き継ぐことは、我々の使命」とあいさつ。工藤智弘町文化財保護委員長が講評をした。