令和5年度西地区モデル地区避難所運営訓練が28日午前8時20分から、別府市立別府西中学校で開催された。地区住民ら約300人が参加。別府市と別府市連合防災協議会は毎年、防災活動推進地域(モデル地区)を決定し、モデル地区の住民が主体となって訓練を実施している。今年は、西地区自主防災会(平石栄二市自治会西地区支部長)がモデル地区として訓練を行った。
訓練は、南海トラフ巨大地震が発生し、別府市は震度5強を記録。さらに約5㍍の津波が到達して、市内で多くの被害が発生、との想定で行われた。地震が発生すると、西地区の防災士を中心として避難所の設営が始まった。受け付けや地区ごとの避難場所の確保、車の誘導、給水タンクやマンホールトイレの組み立てなど役割分担をして次々と準備。
午前9時頃に避難者が到着し始めると、受付票を渡し、地区ごとに分けたカゴの中に入れてもらった。また、避難所は当初は停電になっているとの想定で、電気をつけずに各班ごとに情報収集と伝達を行った。車椅子の避難者には段ボールベッドを組み立てて利用してもらったが、「下がちょっと堅い」との意見を受け、倉庫からマットを持ってきて下に敷き、その上に毛布をかけるなど工夫。さらに、外国籍の人も避難をしてきて、多言語ボランティアによる通訳訓練などもあった。
屋外では、市上下水道局の給水車が到着し、タンクに給水。別府地区LPガス協議会によるレトルトカレーの炊きだしも行われた。能登半島地震発生から約1カ月となり、参加者は真剣に訓練を行った。
終了後の話し合いでは、各班の代表から「連絡員を配置したが、業務がよく分からずあまり機能しなかった」「連絡がうまくいかない場面が多くみられた」などの課題が出され、今後さらに対応を話し合っていくことにした。