大分県広域交通ネットワーク研究会

佐藤知事に報告書が手渡された

 大分県広域交通ネットワーク研究会(奥野信宏座長)の第3回会議が5日午後3時、大分市のホテル日航大分オアシスタワーで開催された。県が進める広域交通ネットワークについて「九州や四国だけではなく、日本全体に大きな効果が期待できる」として、整備を求める報告書をまとめた。
 佐藤樹一郎大分県知事が「これまで2回の会議の中で、意義、課題、関係機関と連携しながら合意を形成していくことが大切だと承りました。1月22日にはシンポジウムを開催し、意見交換をしました。31日を皮切りに、地域別説明会を順次開催することにしており、ていねいな説明に努めていきたい。まとめということですが、大分県長期総合計画にも関わるもので、貴重な材料として踏まえた上で計画を作りたい」とあいさつ。
 報告書の最終的な内容について協議をし、文言など細かい部分を少し修正。その後、奥野座長から佐藤知事に報告書を手渡した。
 報告書では▽九州の強みのさらなる強化▽圏域外(関西や中国、四国地方)との交流促進▽災害に強い国土づくり、を目指すべき方向として示し、克服すべき課題はあるが、ていねいな説明で広域交通ネットワークの整備を進めるべきとし、将来的に広域交通ネットワークが整えば、関門海峡と豊予海峡ルートのダブルネットワークが形成され、人流・物流の拡大や災害時のリダンダンシー確保など、日本全体に大きな効果が期待できるとした。
 また、大分市佐賀関と愛媛県佐田岬を橋やトンネルでつなぐ「豊予海峡ルート」や、東九州新幹線が実現すれば、巨大経済圏につながるネットワークが形成されるとし、推進を後押しした。一方で、技術面やコスト負担に関する関係機関との連携など課題もあげた。
 報告書を受け取った佐藤知事は「重要な提言をまとめてもらった。広域交通ネットワークは、地域の発展のため、広域、日本発展のために重要であり、整備することによる効果が大きいという評価をいただきました。片方で、課題も多々ある。在来線をどう評価するか、多くの人の機運をどう高めるかなど議論をもらった。提言を踏まえ、隣県との連携や県民の機運醸成を進めながら、国のプロジェクトとして進めていかないといけないので、国への働きかけを強めていきたい」と結んだ。