九州大学病院と九州大学別府病院はこのほど、新しい遠隔手術指導システムを使い、模擬手術を行った。
新たに構築したシステムは、九州大学病院がソフトウェア会社などと共同で開発したもので、別の病院で行われている手術の映像をタブレットで確認しながら、ペンを使って映像に線や文字を書き込んで、手術の指導を行うもの。タイムラグがほぼなく、リアルタイムで書き込むことが出来る上、従来のシステムでは書き込む際に画像を止める必要があったが、映像を写しながら書き込むことが出来る。また、画像を拡大、縮小、移動などした場合、これまで書いた線などは移動できなかったが、画面の操作に応じて線も一緒に拡大されたり移動したりできるようになり、画像を見る医師らもスムーズに手術を同時進行で行うことが出来る。
開発した九州大学病院医学研究員院の沖英次准教授は「従来ありそうでなかった、遠隔からの指示を現地のリアルタイムな手術映像に合わせて追従、変化させる技術。ソフトウェ会社と共同で独自に開発したもので、医師不足にも対応し、患者にも安心して手術を受けてもらえる」としている。
実際に、九州大学病院と別府病院をオンラインでつなぎ、九州大学病院側から手術画像の上に医師がアドバイスを書き込んだ。リアルタイムで送られてくる画像を見ながら、別府病院で臓器に見立てたものを使って模擬手術を行った。
両病院では、来年度中にもこのシステムを実際の手術に導入することにしている。