元々は高校の部活動で、身近な自然や小さな生き物と出会える活動を行い、実際に身近な自然の様子を感じ、小さな生き物のことを知り、学び、考えることから出発し、社会のより多くの人々にそれらを伝え、ときには守っていくことを目的としているNPO法人北九州・魚部(井上大輔代表)がオリジナルデザインのトートバッグを15日午後2時10分、別府市立亀川小学校の全校生徒と教職員の計387人に寄贈した。
寄贈式では、初めに魚部副代表の伊藤昴さん(高校1年)と伊藤瑛斗さん(中学3年)が魚部やオンセンゴマツボについて説明。
オンセンゴマツボとは、殻長4㍉㍍ほどの微小な淡水生巻貝類。世界的にも珍しい40度前後の温泉水が流れる水路などに生息。1962年に九重町の宝泉寺温泉産をもとに新種記載された後、由布市や別府市亀川(65年ごろ)でも確認された。しかし亀川では67年6月には姿を消していたといわれていた。
「大分県の希少種オンセンゴマツボは、約60年ぶりに再発見されました。温泉の新たな魅力を別府から日本中に広めたいというプロジェクトをしています。その一環として、地元の亀川小の子どもたちにオンセンゴマツボと生息場所の亀川温泉のことを知って誇ってほしいという思いを持っての寄贈です」と話した。
質疑応答後、伊藤昴さんと伊藤瑛斗さんから亀川小5年生の金戸美咲樹児童会長(11)にオリジナルトートバッグが贈られた。金戸児童会長が謝辞を述べた。
このトートバッグは、魚部員でもあるプロのデザイナーによるオリジナルで、亀川温泉とオンセンゴマツボとが融合したデザイン。丈夫な生地とし、日常的に使ってもらいながら地元のことを意識したり、家庭での話題になるとよいと思い、クラウドファンディングで全国から支援をいただき制作した。