別府警察署長が感謝状を贈呈

特殊詐欺・SNS型ロマンス詐欺の被害防止をした大分みらい信用金庫職員5人
高齢者の保護をした2人

 別府警察署(染矢憲康署長)は24日午前9時20分、特殊詐欺・SNS型ロマンス詐欺被害防止をした5人と高齢者の保護をした2人の計7人に感謝状を贈呈した。
 受賞者は、特殊詐欺被害の未然防止をした大分みらい信用金庫鶴見支店の佐藤亮介さん(42)、佐藤信子さん(58)、同金庫山の手支店だった鹿子木敏明・現南大分支店長(48)、藤原史帆さん(26)=現本店営業部渉外係の4人、SNS型ロマンス詐欺の被害未然防止をした同金庫亀川支店融資事務の久保田亜美さん(31)、高齢者の保護をした千代町在住で新聞配達員の扈山桂子さん(61)、浜脇在住で朝日警備勤務の警備員糸永成二郎さん(68)の2人。
 感謝状を贈呈した染矢署長は「積極的に声をかけていただいたおかげで大事な命が救われました。今後とも協力していただければ幸いです」
 「皆さんが声かけをしても逆に『あなたの方が騙しているのでないか』と、やりにくい世の中で、おかげを持ちまして無事に被害防止に貢献していただきました」と述べた。
 高齢者保護の功労は▽6日午前5時40分ごろ、新聞配達中の扈山さんが浜脇の国道10号にある歩道橋の近くで座っている高齢男性を発見し、声かけをした。男性は氏名しか答えず、自宅への帰り道が分からなくなっていることが判明。新聞配達で知り合った糸永さんが勤務する施設に応援を求めた。扈山さんと応援要請を受けた糸永さんは2人で、男性の元に駆けつけ、男性の保護に当たるとともに警察に通報するなど迅速かつ適切な対応をした。
 扈山さんが「私一人では心もとないので、病院に係の人がいることを知っていたので、一緒に対処できました。自分の母も持病があり看病をしていたので、『あのとき助けることができて良かった』と思います」。
 糸永さんは「すぐに現場に行き、警察に通報した方がいいと判断。私は警備の勤務している病院に戻り、看護師の皆さんも心配していましたし、協力があったからこそ現場に行くことができ、対応することができました。警察が来るまで男性と話をして待っていました」とそれぞれ述べた。
 特殊詐欺被害防止の功労は▽大分みらい信用金庫鶴見支店の佐藤亮介さんは3月11日午後2時50分ごろ、同支店に来店した高齢女性が「SNS上で知り合った女に、80万円振り込めば高収入を得られるコツを教えてもらえるので、振り込みをしたい」と言われたことから不審に思い、上司の佐藤信子さんに報告し来店した女性に詳細を聴取して振り込みをしないよう説得をして、警察に通報した。
 ▽同信用金庫山の手支店の鹿子木支店長は16日午後0時45分、高齢女性から「150万円を出金して、自宅に届けてほしい」旨の電話を受けた。高額出金のため、不審に思い、藤原さんに女性宅を訪問して出金理由を詳細に聴取するように指示。藤原さんが聴取したところ、女性が現金をレターパックで送るように指示を受けたことが判明。詐欺と確信し説得の上、出金を取り消して警察に通報した。
 SNS型ロマンス詐欺被害防止の功労は▽同信用金庫亀川支店の久保田さんは4月15日、来店した50歳代女性が「700万円のローンを組みたい」と言ったことから高額であるため、詳細を聴取。「ウクライナの医師2人にそれぞれビットコインを送ってほしい」と言われたため、速やかに警察に通報した。
 詐欺被害防止者5人を代表して久保田さんが「まさかこのような光栄な賞をいただけるとは思ってもいませんでした。詐欺の被害に遭われる方が多いと日ごろから聞かされていますので、高額の出金であったり、『おやっ?』と思うような不自然な点があったら、一歩踏み込んだヒアリングを心がけています。一通り話を聞いた後に『失礼ですが詐欺ではないですか』と声をかけたところ、お客さまが『私もそうと思ったのだが、私は本当だと思う』とおっしゃってました。お客さまの大切な預金を守っていきたい」と述べた。