日本造園修景協会の九州地区大会

長野市長の特別講演を聴く参加者

 日本造園修景協会九州地区大会in大分が25日午後2時、別府市の亀の井ホテルで開催された。大会テーマは「みどりの可能性~健康から福祉・教育・ウェルネスまで~」で、約70人が参加した。
 大会実行委員長の菅雅幸大分県支部長が「ここ数年、コロナで活動ができなかったが、一段落したと思われるので、以前のように協力していろんな活動をしたい」とあいさつ。来賓の有路信一般財団法人日本造園修景協会長が祝辞を述べた。
 長野恭紘別府市長が「別府市の挑戦~新湯治・ウェルネスの推進~」と題して、特別講演を行った。長野市長は「温泉地は沢山あるが、具体的にどう体に良いかを打ちだせるかというと、現状は難しい。ものさしとして腸内細菌の働きを調査し、数値化する、見える化しています」とし、コロナ禍を経て、健康志向が高まっていることから、「別府といえばウェルネス」というブランディングを進めていることや、宿泊数をあげ、単価をあげることが経済的な循環を実現する。「別府は、宿泊施設、温泉施設、飲食店、リラクゼーションは揃っている。これから先に必要なことは、温泉の見える化し、事業者がしっかり稼げる研究・実践拠点。データを一元化し、解析し、それぞれの事業者に提供し、稼いでいける手伝いをしていく」と話した。
 基調講演として、上原巌NPO法人日本森林保健学会理事長(東京農業大学教授)が「身近な森林の中に癒しの場を創る~各地の医療、福祉、心理、教育現場での事例~」。杉浦嘉雄荒木川流域プロジェクト実行委員会顧問(日本文理大学名誉教授)が「国東市の荒木川流域プロジェクト~里山流林再生と福祉活動の両立~」と題して、それぞれ講演をした。
 上原理事長は「森林療法は、身近な森林に出かけ、運動や休養だけでなく作業を行うことで、森林と人間が共に健やかになること。森林療法には、あまりお金はかかりません。インフラ整備は必要なく、どんな森でもでき、弱者のためのもの」などと話し、ドイツなどの保養地の事例などを紹介した。