佐藤樹一郎大分県知事、県政の基本方針⑤

【未来創造分野 未来へつながる地域社会の実現】

■ホーバークラフト関連
 大分県における地域発展の重要な拠点である大分空港の活性化のため、課題である空港アクセスの改善に向けたホーバークラフト導入の取組を着実に実施している。今秋の運航開始に向けた準備を進めていく。

▽基本仕様
 船舶…旅客定員80名(Griffon Hoverwork Ltd)
 ルート…海上運行距離約30㎞、最短所要時間約30分
 隻数…3隻
 運航事業者…第一交通産業株式会社
※本県が船舶等を保有し、民間業者が運行する上下分離方式

▽ホーバークラフト利用促進事業(3123万円)
 大分空港の活性化を図るため、新たに導入するホーバークラフトの利便性向上に向けてホーバーターミナルおおいた(西大分)と大分駅を結ぶ二次交通の実証調査を実施するとともに、認知度向上に向けた情報発信を行う。
 シャトルバスの無料運行と二次交通にかかる利用実態・ニーズ調査等の実施、SNSを活用したキャンペーンや首都圏等におけるプロモーション、O―Laboと連携したホーバークラフト模型制作体験など。
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【未来創造分野 カーボンニュートラルの推進】

 将来の世代も安心して暮らせる持続可能な社会を創るため、カーボンニュートラルの課題を解決していく必要がある。大分県は、再生可能エネルギー自給率全国2位。(1位は秋田県)地熱発電の供給量は大分は全国1位。
 九州唯一の製油所や九州最大のLNG火力発電所をはじめ、多様な製造業等が立地する大分コンビナートは県経済の牽引役。
 大分コンビナートのカーボンニュートラルと持続的発展の両立は、県勢発展にとっても重要課題。県もこれに強くコミットしながら、次世代エネルギーである水素等の供給・利活用、カーボンリサイクルなどを軸とした、新たな企業間連携や周辺地域とのつながりを前進させ、GX投資を呼び込むことで、目指すべき「グリーン・コンビナートおおいた」の実現に向けた展望を切り開いていきたい。2050年のカーボンニュートラルを見据え、大分コンビナートが向かうべき方向性を「構想」として取りまとめる(2024年1月)。
 具体的な取り組みとして、「グリーン・コンビナートおおいた推進構想」を元に、積極的なGX投資を呼び込むための支援を実施する。

▽グリーン・コンビナートおおいた創出事業(1億3561万円)
 大分コンビナートのカーボンニュートラルと持続的発展の両立を実現するため、今後の官民投資の促進向けた調査事業に取り組むとともに、水素利活用やカーボンリサイクルなどに関する実証実験等へ支援する。国補助を活用した研究開発・実証実験への上乗せ助成
 補助率1/2(中小企業は2/3)、限度額最大4000万円。民間企業等が実施する研究開発・実証実験への助成 補助率 1/2(中小企業は2/3、限度額最大2000万円など。
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【未来創造分野 先端技術への挑戦とデジタル社会の実現】

 空飛ぶクルマ”は都市の渋滞を避けた通勤や通学、離島や山間部での移動、災害時の救急搬送や迅速な物資輸送などの新しい移動手段として期待されている。このような中、法政大学大学院アーバンエアモビリティ研究所、あいおいニッセイ同和損保株式会社、MS&ADインターリスク総研株式会社が行う“空飛ぶクルマ”の社会実装を見据えた共同研究、ならびに、HIEN Aero Technologies株式会社が行う“空飛ぶクルマ”の開発について、大分県を実証フィールドとして活用するため、覚書締結式を昨年9月11日に開催した。
 様々な分野において解決すべき地域課題に対応するため、積極的に新しい技術や知見を取り込んでいくことが重要。今回、東京大学先端科学技術研究センターと大分県において、連携協定を本年2月に締結することができた。この協定を皮切りに様々なプロジェクトを進めていく予定。すでに生物多様性・生態系分野で日田市の田島山業を実証フィールドに調査研究も始まっているところ。
 具体的な取り組みとして、次世代空モビリティ産業等の先端技術への挑戦を通じ、新産業を創出する。  (つづく)