別府警察署(染矢憲康署長)は11日午前10時、高齢者を保護した1人、特殊詐欺・SNS型ロマンス詐欺被害防止をした4人の計5人に感謝状を贈呈した。
受賞者は、高齢者を保護した(株)キョウワの荒金智実さん(39)=大分市新貝=、特殊詐欺被害を防止したアルバイト従業員の宮島弘也さん(26)=別府市荘園=、大分みらい信用金庫鶴見支店の井上浩一さん(51)=扇山=、SNS型ロマンス詐欺を防止した同信用金庫本店営業部の立川晃平さん(34)=石垣西=、藤原史帆さん(27)=大分市金池町=の計5人。
感謝状を贈呈した染矢署長は「荒金さんですが、今年は本当に酷暑でした。このまま放置すれば命を失いかねない状況の中、適切な処置を取っていただき、命を救われました」
「詐欺被害防止ですが、なかなかだまされた被害者を説得することは大変なこと。ですが、ちょっとしたことに気づき『ダメですよ』『違うんじゃないですか』と粘り強い声かけのおかげで大事な財産を守ることができました。今後も声かけをしていただければと、期待しています」と述べた。
高齢者保護の功労は▽今年7月31日正午ごろ、業務中の荒金さんが日出町大字豊岡の歩道上に座り込んでいる高齢女性を発見。高齢女性は、別府市居住で行方不明者として捜索中だった。女性に声かけをしたが、女性は住所などを答えることができず、多量に発汗していたため、「危険」と考え、その場で119番通報。救急隊が到着するまでの間、女性の保護活動を行った。
荒金さんは「発見した女性に『大丈夫』と声をかけました。その後、状況的に女性が危険ではないかと通報しました。業務で再三教育を受けていますので、迅速に体が動きました」と述べた。
特殊詐欺の功労は▽今年7月9日、別府市内の金融機関で勤務中、「還付金について教えてほしい」などと電話で訪ねてきた高齢女性の話に不信感を抱き、警察に通報するなどして特殊詐欺被害を未然に防いだ▽8月19日、市内の金融機関で、来店した高齢女性が「SNSで知り合ったアメリカ在住の男性医師からパスポートの再発行費用が必要と言われたので口座を解約しに来た」と説明したことに不信感を抱き、警察に通報するなどしてSNS型ロマンス詐欺を未然防止した―としている。
藤原さんが「高齢女性の来店時は、詐欺という意識がまったく無く相手のことを信じていました。説得でき、貴重な財産を守ることができたことは嬉しい。金融機関の職員として、お客さまのご預金を守れる立場にありますので、お客さまから気軽に相談できる場所にしたい」、立川さん、井上さん、宮島さんがそれぞれ当時の状況や感謝を授与したときの感想を述べた。