楠銀天街の今後について意見交換

関係者が出席して行われた意見交換会

 別府市は、アーケードの老朽化問題などを抱える楠銀天街の関係者と、今後の対応について意見交換をこのほど、サザンクロスで開いた。約30人が出席。
 楠銀天街は流川通りから永石通りまで約350㍍あり、一部アーケードが残っているものの、老朽化が著しく、危険な状況が続いている。市はネットを貼るなど応急措置はしているものの、早急な解決が望まれている。しかし、アーケードは、商店街の所有であるため、基本的には所有者が管理を行うこととなっている。
 撤去するにも維持・管理をするにも多額の費用が必要となるため、楠銀天街協同組合を引き継いだ「くすぎん通り会」も適正維持が難しく、沿道の建物の老朽化も進み、空き店舗や空き地も増えている。
 以前から、アーケード撤去の問題については、地元自治会などかも要望が行われいるが、未だ、解決には至っておらず、ようやく第一歩を踏み出した。
 説明会では、松屋益治郎建設部長が「以前の楠銀天街は賑わいあって、楽しんでもらったと思うが、老朽化したアーケードなどいくつかの課題を抱えていると思う。別府市としても一緒に考えていきたい」とあいさつ。
 現状の説明が行われ、同じような問題を抱える鳥取県米子市の法勝寺商店街と福岡県北九州市小倉の魚町サンロード商店街の取り組み事例を紹介した上で、別府市として▽地元の関係者で、今後の取り組みを進めていくための新たな組織づくり▽通りの賑わいづくりの取り組みを、新しい組織を中心に実施▽アーケードの安全対策等を行う際、影響する建物の処理などについては、関係者が自ら行うーとした方針を示した。
 出席者からは「新しい組織というのは、どういう人たちで作ればよいのか。アパートに住んでいる人も入れるのか」「新しい組織を作って、賑わいの取り組みを考えてというが、とても時間がかかる。地震が来ると危ない」「電線がショートして火花が出たことがあった。その時は気づいたから良かったが、火災になると大変」「この間の強風の時には、いろんなものが落ちてきた」と不安の声が多く出た。
 市側は「猶予はないと思う」と危険性の認識を示したものの、「市の持ち物でないものに税金で手を加えることは出来ない。市としての一番の望みは、話をさせてもらう相手をきちんと組織として作ってほしいということ」とした。
 土地の持ち主、建物の持ち主など関係者は多く、別府市は「協力して解決していきたい」との姿勢を示し、理解と協力を呼びかけた。