別府市は25日、気候変動の施策を進めるため「別府市気候非常事態宣言」を行った。県内では初めて。
2016年にオーストラリアのデアビン市で世界初の気候非常事態宣言が行われたのを皮切りに、世界各国において同様の宣言が行われ、日本も2020年に非常事態宣言を決議。国内で106の自治体(昨年末時点)が宣言を行っている。
別府市でも、立命館アジア太平洋大学の学生で構成する「フライデーフューチャー大分」が令和2年、別府市議会に対して、非常事態宣言を求める請願を提出し、採択されている。
宣言では▽公共施設において、省エネに積極的に取り組むと同時に、地熱などの地域資源に恵まれた立地条件を活かし、余剰の温泉(熱エネルギー)などの再生エネルギーの利活用による緩和策を進める▽循環経済の観点から、地上資源の循環の仕組みを構築し、地域で資源循環できる観光都市を目指し、ごみの3R(発生抑制、再利用、再生利用)をより一層加速させる▽生態系から得られる生態系サービス(気候の調整機能)が十分に機能できるように、重層的な取り組みによって、自然環境の保全を図るとともに、自然体験型学習の機会を増やす取り組みを並行して行う。
▽全市民が今ある気候変動の危機感を共有した上で、2050年における二酸化炭素実質排出ゼロを目指す▽気候変動影響や適応に関する様々な知見を収集・整理し、市民に有用な情報共有を行うことで、各主体の取り組みを促すーとしている。
長野恭紘別府市長は「近年、大気中に含まれる二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの増加に伴い、世界各地で気候変動、異常気象が著しく増加し、自然環境や経済的被害だけでなく、人的被害も拡大している。目標達成のためには、市役所内における政策間連携はもとより、すべての市民や団体の皆さんのご理解とご協力が不可欠。今後は、効果的かつ具体的な取り組みについて検討し、地域一丸となって実行していきたい」とした。