杵築市大田地域にあるガソリンスタンド「小関石油」が、昨年末、経営者夫婦が80歳を超える高齢であることや、6月に地下タンク更新を迎えることから、昨年末で廃業。地域唯一のガソリンスタンドが廃業したことで、地域活動に大きな影響があるとして、営業継続をするために住民自治協議会「大田ふるさとづくり協議会」が主体となって、「合同会社おおいた夢楽(むら)」(吉広和男代)を設立。2月1日から「大田SS」として営業を再開する。
小関石油は、ガソリンスタンドとしての役割だけでなく、交通手段を持たない一人暮らしのお年寄りなどの家に灯油を届け、見守り活動も行ってきた。ガソリンスタンドがなくなることで、基幹産業である農業、林業や建設業に使用する重機への給油にも支障をきたすことになり、地域で暮らす人の生活に大きな影響を与えると危惧されていた。
大分ふるさとづくり協議会は、地域の課題を解決するため、大分県や杵築市、商工会、県石油商業組合、石油卸売事業者、小関石油と連携して協議を重ね、昨年11月26日に合同会社を設立した。
その後、地下タンク改修にかかる資金を捻出するため、ふるさと納税を利用したガバメントクラウドファンディングを実施。効率性を高めた灯油配達事業に必要な家庭用オイルタンクや配達用の灯油ローリーなどの施設整備を行うため、県や市の補助金を活用しながら、準備を進めてきた。クラウドファンディングでは、目標の400万円を超える金額が集まっており、タンク改修以外の改修費用も捻出できる。2月23日まで実施している。
営業時間は午前7時30分から午後6時30分で、日曜日と年末年始は休業。ただし、農繁期は日曜日も営業する。
当初は、営業再開当日にテープカットなどの式典を行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染予防のため、式典は取りやめるが、地域にとって待望のガソリンスタンドが再開される。