飲酒運転根絶宣言店登録制度に関する協定

締結署にサインした幸野俊行別府警察署長(左)と長野恭紘別府市長
登録店舗に配付されるプレート(中央)や登録証(右)

 別府警察署(幸野俊行署長)と別府市(長野恭紘市長)は「飲酒運転根絶宣言店登録制度に関する協定」を24日午後2時30分、別府署で締結した。大分県下では初めて。
 飲酒運転は、平成11年11月に東名高速道路で起きた幼児2人が焼死した死亡事故、18年8月に海の中道大橋における幼児3人が溺死した死亡事故などを受けて、罰則の強化及びほう助行為に対する罰則規定の整備が行われた。大分県では全国に先駆けて19年7月に「大分県飲酒運転根絶に関する条例」を制定。県、県民および事業者が一体となり「飲んだらのれん運動」を推進した結果、県下の飲酒運転による人身事故などは大幅に減少した。
 しかし近年、飲酒運転の検挙件数は下げ止まり傾向にあり、別府市内も同様の傾向にある。よって、「飲酒運転のない安全で安心なまち別府」を目指すため、官民一体となって飲酒運転根絶に向けて取り組むことになった。
 締結式では、幸野署長が「飲酒運転の検挙件数は、大分県は平成11年は約4千7百件あったが、令和2年は232件と大きく減少しました。平成20年からは横這いになっています。当署は、飲酒運転取り締まりを強化していますが、これから飲酒運転根絶に向けて取り組むには、官民一体となった新たな取り組みが必要と考え、本協定の運びとなりました。飲酒運転のない社会作りを進めていきます」とあいさつ。
 幸野署長と長野市長が協定書に書名し、協定が締結された。
 長野市長は「別府警察署と一緒に飲酒運転根絶の推進に向けた取り組みが出来ることを有意義なものと思います。幸野署長をはじめ別府警察署の強い思いに賛同して、飲酒運転を根絶していこうと思います。別府市では飲酒運転による重大な事故は起きていませんが、検挙はあります。別府社交飲食協同組合や各団体と協力をして、この締結をより実効性のあるものにしていかないといけない。民間の皆さんとしっかりとスクラムを組んで『飲酒運転を無くしていくんだ』という強い思いが別府市民や観光客に伝わって、別府市では飲酒運転をゼロにしていく。この活動が大分県や日本全国に広がっていければ」とあいさつした。
 協定は、別府社交飲食協同組合(赤嶺リサ理事長)の協力を得て、飲酒運転根絶に賛同した酒類提供飲食店を募集。登録店には、市長、別府署長連名の「飲酒運転根絶宣言店登録証」と「根絶宣言店のプレート」を掲示して飲酒運転根絶の気風を高めて、別府市総ぐるみで飲酒運転の根絶に向けて取り組む。宣言は▽異種運転をしません、させません、許しません▽飲酒運転を発見したときは、警察に通報します▽自動車等を運転する予定のある来店者に、酒類を提供しません▽飲酒運転を防止するために必要な措置を講じるよう努めます―の4項目。
 組合に加入していない酒類提供する店舗(旅館やホテル、チェーン店など)も別府署や市内の交番に置いている申込書で申請する。申し込み後、別府市が作製した登録証などを別府署が届ける。