「ウラジミール・プーチンは最終的には敗北を喫する事になるだろう」―――米国の軍事評論家は3日、このような結論を出した。日本の軍事専門家なる者が、したり顔でTVに登場しては、ウクライナに悲観的な弁を繰り返す。ほとんどの彼らは従軍経験もなければ、防衛現場で汗を流した事もない。米の軍事専門家は退役陸軍大将だったり、実際に戦闘を経験、軍を指揮した経験のある人材が多い。
ロシア侵攻から一週間足らずで、露側は「ウクライナ陥落」という想定をもとにした作戦だった。侵攻直後からウエライナ各地で激しい抵抗に逢い、補給遅延や想定外の「被害」。ウクライナ軍や民間で募集した義友軍、ボランティアらは戦死者名簿のサイトを立ち上げ、メール発信。ロシアの軍人家族向けに侵攻の実状をくり返す。捕虜となった若い露軍兵士に食糧を与え、TV電話で両親や家族達に連絡を取らせる。人道的な対応に世界が驚いた。この暴挙の原因、敵は唯ひとり、プチーン・ロシア共和国大統領。ウクライナの戦術(国民性)は世界を飲み込んだ。核兵器使用をチラつかせた恫喝に微塵の動揺も見せず。「私たちの力で祖国を守る」という、ほとばしるような愛国心が、ウクライナをして自由平和主義の価値観を一層深めている。
ウクライナ善戦の根本は何だったのか。侵攻当初から、戦闘服に身を包んだ、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の存在だ。自らを「国民のしもべ」と称するリーダー。ロシア侵攻直後に「大統領が逃げた」とフェイクニュースを流した。ゼレンスキーは「私はここにいる」とキエフ市街地を見廻る姿をSNSで配信、避難の途に着こうとした多くの国民が国に戻って銃を手にした。自ら祖国を守るために。
「国防」その意識を構築する真髄とはこの様な状態をいうか。「人は命をかけてでも、守るべきものがある」何と幸せなトップリーダーなのだろう。戦火に見舞われながら支持率は90%を超した。国連加盟国約193カ国中、141カ国がロシアを非難。大手の世界企業が次々にロシアとの取り引きを断った。膝元ロシア第2位の石油会社も「侵攻非難」に走った。世界中の官も民も一体となったウクライナ支持はパラリンピックにも判断の是正をもたらした。
東欧の小国だったこの国が、世界に果たした役割は絶大無限にある。
個人資産が23兆円と推定される世界一の大富豪、ウラジミール・プーチン、何と不幸なトップリーダーなのだろう。
(陽)