日出町中央公民館(藤原寛館長)は、地域づくり講演会を9日午後7時、同公民館で開催した。新型コロナウイルスの感染予防のため、参加者を制限。約30人が出席した。
東京2020パラリンピックでパワーリフティング女子として日本人で初めて出場した、日出町在住の坂元智香さんが「とりあえず、やってみる~なりたい自分に近づくための第一歩~」と題して講演した。
藤原館長が「本来なら、より多くの方に聴いていただきたかったのですが、人数制限をしました。坂元さんは、日本新記録には届かなかったものの、町民に勇気を希望を与えてくれました。そのようなアスリートが日出町にいるということはうれしいこと」とあいさつした。
坂元さんは、鹿児島県出身で高校生の時に事故に遭い骨髄損傷で車椅子生活に。その後、パラスポーツと出会い、当初は投てきをしていたが、トレーニングのために始めたパワーリフティングに誘われ、頭角を表す。国内デビュー戦では、73㌔級で日本新記録を出して優勝。国際大会デビュー戦でも日本新記録を更新して5位入賞を果たした。階級を79㌔級に変えて挑んだ全日本選手権でも日本新記録を出して優勝するなど活躍をしている。
坂元さんは「事故に遭った時はすごく辛かったのですが、ある日、夢の中でそれまで歩いていた自分しか、みていなかったのに、車椅子に乗っている自分を見て、上手に付き合っていくしかない、そういう自分を認めてあげようと気持ちが変わった」。
「パワーリフティングに誘われたものの「体重を示して参加することに抵抗があった。でも、夫が『とりあえず、やってみれば』と言って背中を押してくれたことで、今がある。パワーリフティングはシンプルな競技ですが、細かいルールが決められています。パラリンピックの1年延期も辛かったけど、プラスに考え、くさることなく練習していれば何とかなるという気持ちで臨めた。本当にすごいことをやれたなと思っています」と話した。
また、パラリンピックの選手村の様子などを写真で紹介した。