別府ONSENアカデミア実行委員会総会

新型コロナの影響で2年間開催中止が続いたが、
開催に向けて事業内容などを話し合った

 別府市は21日午後2時半、「別府ONSENアカデミア2022」の実行委員会総会を市役所で開き、開催内容などについて協議を行った。
 別府市では、2016年度から、温泉を科学的に調査・研究し、発表する場として「別府ONSENアカデミア」をこれまで4回開催してきた。スポーツ選手の温泉によるリカバリーや、全国の温泉地の首長が参加して温泉をめぐる様々な課題について協議を行うなどしてきた。従来文化は継承しつつ、枠にとらわれない「ONSEN」文化を発信している。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2年間、開催を中止。2020年に九州大学病院別府病院の前田豊樹准教授と長野市長が対談して、「別府温泉は新型コロナウイルスに対して効果があるのか?」をユーチューブで発信した。
 実行委員長の長野恭紘別府市長が「温泉の持つ多様性や価値、エビデンスをしっかりと検証して日本、世界に伝えていこうというところからスタートし、今までも様々な研究結果を皆さんに発信をしてきたと自負しています。温泉の効果は、何となく体に良いというのは説明するまでもないが、エビデンスを示すのは難しい中で、別府の温泉の武器を商品化につなげるところまでもっていければいいなと思っています」とあいさつ。
 今年は11月26日の「いい風呂の日」の午後1時から、ビーコンプラザで開催を予定。過去4回のシンポジウム等でつちかった研究の成果を継承して「免疫力日本一宣言」に向け、温泉の効果を医学的に検証・発信し、チャレンジを続ける温泉地としてのブラディングを図る。
 5月から11月まで、実証実験を実施。企業を対象に6泊7日のワーケーションを行い、開始前後に腸内細菌検査を行い、健康状態の変化を解析する。また、普段温泉に入っていない一般の人を対象に、7日程度の連続した温泉入浴を行い、入浴体験前後に腸内細菌検査を行い、健康状態の変化を解析する。
 当日は、実装実験をもとに2つのテーマでシンポジウムを行う予定にしている。
 委員からは「それぞれ色んなことをしたのでは、何が効果があったのか分かりにくい」との指摘があり「一定の同じ条件で、熱い温泉に入った人やぬる湯に入った人などを分けて比べることで、効果として一定の評価ができる」として、客観的評価を取り入れて実証実験を行うことで、温泉がもたらす健康への効果が証明できるのでは、との意見が出た。
 実証実験の方法などについては、意見を踏まえて検討することになった。