別府市は、旧山の手中学校、旧市役所朝日出張所、公設地方卸売市場再整備に伴う余剰地の利活用についての方針を示した。
公有財産を有効活用し、民間活力を導入することで財政負担の軽減や、まちの活性化、魅力向上を図るのが目的。これまで、地域住民との意見交換や民間事業者への市場調査などを行ってきた。方針を示したことで、具体的な取り組みが始まる。
旧山の手中学校は、市街地にあり、交通の利便性の良い場所。周辺には、市役所、美術館などの公共施設が点在し、別府公園、ビーコンプラザ、べっぷアリーナとも近いうえ、新図書館の整備計画もあるなどの好立地。現在は、市PCR検査センターとして使用されている。
対象となるのは、校舎などがある約1万5千平方㍍と道を隔てて運動場用地跡地約2900平方㍍。学校は閉校となったものの、校舎や体育館はまだ残っている。ただし、山の手地区計画内にあるため、建物の高さ制限などがある。
今後、事業範囲や整備手法等の条件を精査する必要があり、事業者募集に取り掛かった年を初年度として、4カ年計画で実施する予定。
旧朝日出張所跡地は、九州横断道路を隔てて、鉄輪温泉街が形成されているエリア。周辺には、小・中学校や宿泊、観光施設、住宅街があり、土地はすでに更地になっている。
対象地は約1800平方㍍で、整備対象範囲は約1600平方㍍。温泉市街地景観地域。事業手法としては、市有地に民間事業者が建物を所有することを想定している。
令和4年度を初年度とし、4カ年計画で、まずは事業者募集を行う。
公設卸売市場は、昭和59年に開設され、青果、水産、花きを取り扱う総合市場としての役割を担ってきた。しかし、建物の老朽化に加え、取り巻く環境の変化により、取扱量が平成30年度をピークに、減少している。あり方検討委員会で事後者の話も聞きながら、施設規模を縮小することにした。規模縮小に伴い発生する余剰地を活用する。
市場は国道10号沿いにあり、整備対象範囲も約5万8千平方㍍と広い。ただし、整備については、市場再整備を含めた事業全体の成立可能性を確認しながら進める必要があるため、一定の時間を要することが考えられる。十分な時間を確保して、施設整備と運営の両面から検討が必要、としている。事業は、施設基本計画を策定した年を初年度とし、6カ年計画で実施されることになっている。