JR東別府駅で利用者の安全守る

改札口で声かけをしながら、利用者の安全を守る森崎さん

 JR九州の駅体制の見直しによって無人駅となっていた東別府駅で9日から、別府市がJR職員OBでつくる「別府鉄道OB友の会」(植山正直会長)に業務を委託し、無人状態が解消され、利用者に喜ばれている。
 友の会メンバーは原則3人がローテーションで1日1人、平日の午前6時30分から同10時30分までの通勤・通学の混雑する時間帯に、黄緑色のジャンパーと帽子を着けて利用者の見守り、声掛けなどの業務を行っている。
 12日朝、東別府駅では、森崎辰雄さん(70)が、利用者に「おはようございます」「いってらっしゃいませ」と大きな声であいさつをしていた。午前6時台後半から7時台は通勤・通学で利用する人が最も多くなる時間。駅に着いた大分方面への電車はすでに満員状態。森崎さんはドアが開くと同時に安全を確認しながら「あと少し詰めてください。カバンなどは前にするか手に持って乗車にご協力ください」と大きな声で呼びかけ、無事に全員を電車に乗せて見送った。「とにかく、大きな声で元気にあいさつすることを心掛けています」と笑顔で話す森崎さん。
 毎日、通学で利用しているという女子高校生(17)は「駅が明るくなった感じがします。人がいる方が、安心できる感じ」と話した。
 大分県内では4駅を無人化し、暘谷(日出町)、大神(同)、天ケ瀬(日田市)の3駅は4月から委託で人員を確保していた。
 これまで、別府市は駅無人化に伴う販売窓口廃止や、営業時間の短縮、営業体制の変更などについて、大分県市長会を通じてJR九州に対して見直しを求めてきたが、状況に変化が見られず、3月12日から東別府駅は無人駅となった。このため、早朝や夕方、休日に利用状況の調査を行い、継続した見守りが必要と判断し、委託することにした。
 東別府駅が業務委託されたことで無人なった4つの駅すべてで有人となった。