ひじ町ツーリズム協会(会長・本田博文町長)は6日から、日出城址エリアで新たな移動手段としてグリーンスローモビリティを活用した「御座船(ござぶね)カー」の調査実証事業をスタートした。令和4年度観光庁事業の一環で、歴史文化資源を活用した周遊コンテンツの開発と販路拡大、情報発信の強化を図る。
「御座船」は、天皇、公家、将軍、大名などが乗るための豪華な船のこと。日出藩主の木下家が参勤交代で瀬戸内海を通って兵庫まで運行した、御座船の資料を基に、デザインをした。車のフロント部分には、木下家の家紋である「沢瀉(おもだか)紋」を、サイド部分には同じ「独楽(こま)紋」を掲げている。
グリーンスローモビリティカーは、時速20㌔㍍未満で公道を走ることができる、電動車を活用した小さな移動サービスのこと。環境への負荷が少なく、狭い路地でも通行が出来る新しいモビリティとして注目されている。
運行期間は来年1月31日までで、午前10時30分からと午後1時30分出発の1日2便。二の丸館を出発し、的山荘、日出城址、城下海岸、致道館(藩校)、鬼門櫓、歴史資料館を巡り、二の丸館に戻ってくるコース。所要時間は40~60分を予定している。運転手を含む4人乗りで、運転は観光案内所のスタッフが行う。
利用するには、事前に予約が必要。料金は無料だが、有料プランとして、ガイドが同乗して案内をしたり、着物(夏は浴衣)の着付け、抹茶のサービスもある。
4日午前10時半からオープニングがあり、本田博文町長と工藤健次日出町議会議長が陣羽織を着て参加。出発式で本田町長は「歴史的、文化的コンテンツを生かした周遊を行います。環境に優しく、地域住民や観光客の足として利用できます。徒歩とは違った城址を感じてもらえると思います」とあいさつ。さっそく2人で乗り込んで周遊体験を行った。