日本政策金融公庫の中小企業動向調査

中小企業動向調査を発表した日本政策金融公庫

 日本政策金融公庫は「全国中小企業動向調査 中小企業編2022年4~6月期実績、7~9月期および10~12月期見通し」をこのほど、発表した。
 従業員20人以上の企業127社に対して行い、58社(回答率45・7%)が回答した。
 今期(4~6月)の大分県内の業況判断DI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)実績は、製造業は前期(1~3月)から11・0ポイント減少し、マイナス17・7となった。非製造業は前期より2・4ポイント低下し、マイナス2・4となった。全産業としては、前期より5・1ポイント低下しマイナス6・9となった。来期(7~9月)の業況判断DI見通しは、製造業は23・6ポイントと大幅な上昇見通し、非製造業は4・8ポイント上昇する見通しにあり、全産業では10・4ポイントの上昇となる見通し。来々期(10~12月)は、全産業で3・5ポイント低下の見通しとなっている。
 ▽売上DIは、前期から1・8ポイント低下し、マイナス3・5。来期は14・0ポイント上昇し10・5、来々期は14・0ポイント低下しマイナス3・5となる見通し。
 ▽純利益DIは、前期から16・1ポイント低下し、マイナス31・6となった。来期はマイナス24・6に上昇し、来々期はマイナス29・9に低下する見通し。
 ▽価格関連DIだが、販売価格DIは前期から0・6ポイント上昇し35・7となった。仕入価格DIは前期から11・0ポイント上昇し、92・1となった。
 ▽金融関連DIでは、資金繰りDIは前期から4・7ポイント上昇した。長期借入難易DIは前期から8・4ポイント低下。短期借入難易DIは前期から4・5ポイント低下した。
 ▽従業員DIは、前期から横這いで、8・6となった。来期は1・7ポイント上昇し、10・3となる見通し。
 経営上の問題点は、「売上・受注の停滞、減少」が33・3%と最も多く、次いで「求人難」が29・4%、「原材料高」が27・5%となっている。前回調査と比較すると、「売上・受注の停滞、減少」は8・0ポイント低下、「求人難」が9・8ポイント、「原材料高」が3・6ポイントそれぞれ上昇している。
 同公庫大分支店によると、県内の中小企業の景況は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあるが、一部に持ち直しの動きもみられる。