別府市は1日から、別府市コミュニティバス内成棚田線の実証運行をスタートさせた。これまで運行していた亀の井バスの路線バス「内成棚田線」が8月末に廃止されたことを受けて、地域住民や観光客の移動手段を確保するため、別府市が市タクシー協会に委託して、来年9月29日まで行う。
コースは、「かいがけ」から「JR別府駅」までで、要望のあった湯都ピア浜脇にも停車。34のバス停を経由する。平日のみの運行で、1日3便。第1便は、かいがけを午前9時半に出発する。帰りの最終便は別府駅を午後2時40分に出発する。
運賃は、かいがけから鳥越峠までのエリア1、鳥越から別府駅までのエリア2はそれぞれ1乗車あたり200円で、かいがけから別府駅までといったエリアをまたぐ利用は400円。小学生や障害者手帳を持っている人は利用時に掲示すると半額。交通系ICカードは利用できないが、別府市ひとまもり・おでかけ支援事業(70歳以上対象)の乗車券は利用できる。
出発式を内成公民館で行い、関係者や地元住民ら約20人が参加した。長野恭紘別府市長が「これまで事業者と協議を行い、生活路線なので何とか継続してほしいと働きかけてきましたが、昨日をもって廃線となってしまいました。何とかしようと、コミュニティバスの実証実験を行うことにしました。美しい棚田の風景があり、観光面でも利用してもらえればと思います。おでかけ支援事業を活用すれば、額面の半額で回数券が購入できるので、利用してもらいたい」とあいさつ。
来賓の市原隆生市議会議長は「地域への影響を考え、コミュニティバスにつなげることができ、生活支援となればと思います。要望や利用実態を把握し、使用しやすい移動手段の確保をしてもらいたい」。清家政人市自治委員会浜脇地区支部長も「以前から、湯都ピアまで路線をつなげてほしいと事業者にも要望をしてきましたが、要望が叶い、市に感謝しています。多くの人に利用してもらいたい」とそれぞれ祝辞を述べた。さっそくコミュニティバスに乗り込んで、みんなで見送った。
地元住民のは「(コミュニティバスが運行することになって)本当にうれしい」「免許を持っていないので、医者に通うのも大変だった」「以前は、ちょうどよい時間のバスがなくて、帰りはタクシーに乗ったりしていたので、助かる」と歓迎の声が聞かれた。一方で「第1便はもう少し早い方がありがたい。駅に着くのが10時過ぎでは、少し遅い」との声もあり、今後、利用しながらニーズを把握していく。