別府市が進める「東洋のブルーラグーン構想」について、鍋山地区での開発可能性を調査するための費用を、現在開会中の令和4年第3回別府市議会定例会に上程していたが、14日付で市原隆生議長に議案の撤回を申し入れた。鍋山エリアでの開発を断念し、新たな場所の検討を行う。
一方で、医療、美容、健康に特化した特別な旅を提供する「新湯治・ウェルネスツーリズム事業」を推進するため、新たに調査委託料として900万円を計上する。「新・湯治ウェルネス」をコンセプトに、拠点施設のあり方の検討、拠点施設設置場所の可能性基礎調査として未利用、余剰湯量等の調査などや、サウンディング調査を行うための経費。
これにより、本会議を開く必要があるため、14日午前10時、議会運営委員会(野口哲男委員長)が開かれ、16日に本会議を開き、予算議案撤回と新たな議案の上程、それに伴う議案質疑と委員会を行う日程を決めた。
今回上程されていた予算案は、鍋山地区を公園化して温泉施設を建設することで、構想の実現を目指すため、調査費として1500万円を計上していた。しかし、所管する観光建設水道委員会で否決された。上流域での大型施設の開発は、下流域への影響について不安がぬぐえず、温泉旅館などの観光関係者からも反対の声が強く出ていた。別府市は、当該部分を削除して改めて補正予算案を提案する。新たな予算議案について、所管するのは、観光建設水道委員会となる。
これにより、関連する一般質問を通告した議員にも影響は避けられず、議運として通告内容の変更や、新たな議案が提出されたことで通告者以外で一般質問を希望する議員が出た場合など、柔軟に取り扱うことを申し合わせた。一般質問は20日から行われる予定で、ブルーラグーン構想関連では5人が通告をしており、直前ではしごを外された形となった。
長野恭紘別府市長は14日午後1時半から記者会見を開き、経緯の説明などを行う。