別府市議会は令和4年第3回定例会の本会議を28日午前10時から、本会議場で開いた。
はじめに、工事請負契約の締結について、事業者の代表者が変更したことによる訂正を上程し、承認。上程中の議案について、各常任委員長による報告が行われた。
森大輔厚生環境教育副委員長が、子ども見守りシステムについて、委員から重要な個人情報を扱うことから、携わる職員はその重要性について認識するようにとの意見が出たことなどを報告。
阿部真一総務企画消防委員長が、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の追加額を学校給食の食材費高騰対策補助金や社会福祉施設に対する電気代の物価高騰対策緊急支援事業負担金の財源にすることなどを報告。
三重忠昭観光建設水道委員長が、温泉マネジメント計画の策定について、県が実施した「温泉資源量調査」との関係性について委員から質問があり、不足箇所と余剰箇所の把握も含めた計画を策定したいと説明があったことや、新湯治・ウェルネスツーリズム推進事業について、委員から新しい施設建設の必要性、関連する民間事業者を圧迫せずに事業が行えるのかなどの質問があり、当局から、既存の事業者に儲かってもらい、市全体・地域全体で稼いでいける仕組みを構築していきたいとの答弁があったことなどを報告。
荒金卓雄予算決算特別委員長が、令和3年度当初予算では、新型コロナの影響による市税の減収を見据えた財政規律の引き締めを念頭に市民が幸せを実感できるまちづくりを最大の目的に予算編成が行われたものの、地方税の減収や市債残高の増加の中、より一層の事務事業を求め、経常収支比率の改善や実質単年度収支の黒字の一方で、地方債残高、主要基金の状況において、市全体の財政状況に係る今後の見通しや課題に関する質疑が行われたことなどを報告した。
平野文活氏(日本共産党議員団)が、令和3年度の一般会計でコンビニ交付のシステムに問題がある、また、水道会計事業への繰り出しが少ないことなどについて反対。国民健康保険事業特別会計、介護保険料事業特別会計の決算、新湯治・ウェルネスツーリズム推進事業の経費に「そもそも、市有地を民間に貸すことに反対」との反対討論を行った。表決の結果、一部賛成多数で全議案が原案どおり可決・認定された。
長野恭紘別府市長が、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額による補正予算案23億8600万円について、追加上程し上程理由を説明。加藤信康氏(市民クラブ)が議案質疑を行った。加藤氏は「一部財政調整基金を繰り出すが、国の交付金でおさまらなかった理由は。財源には限りがある。国の予算を活用しながら事業をしてほしい」とした。矢野義和財政課長が「物価高騰の影響を受けた生活者や事業者に必要な支援をより細やかに支援するためのもの。一般財源を措置してでも支援を実施することが必要であると判断した。現状は、物価上昇のペースは加速している。機を逸することなく、効果的な支援を行うことが必要」とし、基金の残高見込みは73億3千万円で、中期財政見通しよりも上回っていると説明した。全会一致で可決した。
人事案件として、固定資産評価審査委員会委員に徳田靖之氏と永富絹代氏。人権擁護委員に松本久美子氏、宮脇命人氏、宮﨑淳一氏を選任することを提案し、同意した。
また、議員提出議案として▽女性デジタル人材育成を強力に推進するための支援を求める意見書▽地方財政の充実・強化に関する意見書▽教職員が保護者と地域とつながり地域に根ざした学校教育活動ができるための環境づくりを求める意見書が提案され可決された。