別府市教育委員会は、令和4年度の大分県学力定着状況調査と全国学力・学習状況調査の別府市の結果をホームページで公表した。
大分県の調査は、4月26日に行われ、小学5年生と中学生が対象。国語、算数・数学、社会、理科、英語、総合質問紙調査(自己認識や社会性、学級環境、生活・学習習慣等)で、社会と英語は中学のみ。
小学5年生では、国語の正答率は、知識75・4%(偏差値51・2)、活用60・2%(同51・8)。算数の正答率は知識73・7%(同52・7)、活用56・9%(同52・1)。理科正答率は、知識76・8%(同51・8)、活用49・5%(同51・5)だった。
偏差値でみると、5年連続で6項目すべてで50を上回っている。正答率では、すべての項目で全国平均を上回っているが、大分県平均では2項目のみ上回っている。全項目で正答率が上がっているものの、大分県平均との差でみると、4項目が下回っていることから、引き続き、指導・支援による学力の着実な定着を図る必要があると分析。
中学2年生では、国語の正答率は、知識75・7%(同52)、活用63・5%(同52・2)。社会の正答率は、知識61・9%(同51・5)、活用51・1%(同50・5)。数学の正答率は、知識61・7%(同50・7)、活用53%(同50)。理科の正答率は、知識60・1%(同50・9)、活用41・9%(同50・8)。英語の正答率は、知識58・5%(同50・7)、活用52・7%(同50・7)となっている。
偏差値でみると、2年連続で10項目すべてで50を上回った。正答率では、9項目で全国平均を上回り、8項目で大分県平均を上回った。国語については、継続的な指導や支援の効果がみられるが、数学については、学力の定着に課題があるとしている。
全国学力・学習状況調査は、4月19日に小学6年生と中学3年生を対象に文部科学省が実施。国語、算数・数学、理科、児童生徒質問紙調査(学習の意欲、方法、環境、生活など)を行った。別府市の正答率は、小学6年生の国語で64%、算数60%、理科63%。中学3年生の国語で69%、数学50%、理科49%で、全国平均とほぼ同じ。
市教委は「学力の特定の一部分で、学校における教育活動の一側面」としているが、学力定着の評価により、授業改善など学習のあり方などを検討する指標の1つではある。今後は、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善などを行い、市教委、学校、家庭・地域が連携して、子どもたちにとってより良い教育環境づくりに取り組む。タブレットの導入などで、子どもたちの授業を取り巻く環境は変化しており、ICT機器を効果的に活用した学びを実現する環境整備を進める。
寺岡悌二教育長は「子どもたちの学力の定着を調査して、授業改善にいかすもの。定着度は高くなっていると思いますし、教育目標の実現に向かって、努力している姿が見られる」と話した。