APUが建設中の新教学棟を公開

正面入り口から県産スギを使用した木造住宅が出迎える
学生が工事を担当する竹中工務店の技術者からカンナの使い方を学んだ

 立命館アジア太平洋大学(出口治明学長、APU)はこのほど、来年春に竣工予定の新教学棟を木造建築部分の内覧会を行った。
 APUは来年4月に、開学以来初めての新学部「サスティナビリティ観光学部」を新設予定で、新しい教学棟は「第2の開学」の象徴的な建物として、学内だけではなく、地域の人など多様なコミュニティとの交流や連携を促進する場となる。
 中央部分は木造建築で、木材は九州電力の社有林で採取した、大分県産のスギを95%以上使用している。持続可能な森林活用・保全を目的とした適切な森林管理を認証する国際的な制度である「FSC認証」を受けた木材を多く使っている。国内大学では初となる、大規模3階建ての準耐火建造物。
 出口学長が「木造3階建ての、コモンズ・スペースを備えた教学棟は、林野庁、大分県、九州電力の多大なご協力により実現した、カーボンニュートラルへ向けたAPUのシンボルです。この新棟には学生が多様な形で学ぶことが出来る教室や自由な空間など、多くの新しい学びの場があります。APUは、これからもワクワクするような進化を続けていきます」とあいさつ。
 須郷智徳アジア太平洋学部教授が「なぜ、木造建築か?」をテーマに、木造建築の意義について語った。
 その後、学生による餅まき、日本と海外のノコギリやカンナ体感が行われた。
 APUとカーボンニュートラル社会の共創に資する包括連携協定を結んでいる、九州電力の中村直樹大分支店長(執行役員)も現地を訪れて「SDGsの取り組みの中で、FSC認証を取ることをはしっかりやる。日本の林業の中で一番の課題なのは、安定的に同じ数量を必要な時に届けられるようにすること。年間の安定した伐採量を確保しつつ、適切な時に提供する。九州の林業が差別化できると思う」などと話した。