令和4年秋季全国火災予防運動(9日から15日)の一環で14日午後3時30分、別府湾腎泌尿器病院で大型施設消防訓練が行われた。同病院自衛消防隊員などの職員30人、市消防本部予防課8人、市消防署16人が参加した。
午後3時30分、3階スタッフルーム付近から火災が発生し、逃げ遅れた人が3人いる―と想定。
出火を確認した同病院自衛消防隊が1階事務室から119番通報。そして、初期消火をした。その後、避難誘導を行い、東側駐車場に避難した。また東側駐車場では、負傷者応急処置および救急隊への引き継ぎ訓練を行った。
市消防本部第2中隊消防隊は出火階までのホース延長、はしご隊ははしご車を使って5階テラスに避難した2人を救助。1人は意識がないため(レサシアン人形を使用)、タンカに載せた。はしご車を使った搬送方法が使えないとし、駐車場から遠距離にロープを発射する「救命索発射銃」を使ってロープを撃ち出した。その後、車のウインチを使ってロープを駐車とテラス間で斜めにピンと張り、タンカをゆっくりと地上に下した。続いて、ロープを使いテラスにいた救助隊1人が緊急脱出を行った。
閉会式で、吉田敬同病院事務局長が「今回は非常に貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。当院のマニュアルに則った形で通報、初期消火、誘導訓練を行い、非常に臨場感のある引き締まった訓練ができました。今後も組織の防火防災意識の底上げを行い、実際の有事の際は、一人の犠牲者を出さないような訓練を継続して繰り返して行うことが大事。市消防本部、市消防署の皆さん、今後もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」。
井元隆文別府市消防署長が「的確な指示、迅速な動きを見て、さすがは医療従事者と感じました。消防機関との訓練を経て、ますます連携が強固になったと確信しています。しかし、ひとたび有事になると人的被害はもちろん、物的被害においても日ごろから訓練で培った技術を駆使して被害を最小限に食い止めるよう改めてお願いします」とそれぞれ講評した。
今年に入り14日午後2時の時点、36件の火災が発生している。