任期満了に伴う、来年春の大分県知事選挙に立候補の意向を示していた岩屋毅衆議院議員(65)=大分3区=は30日午後1時、事務所で記者会見を開いて「来春の知事選への出馬は取りやめることとしました。引き続き、国政において使命を果たしていきたい」と述べ、出馬を断念したことを発表した。
岩屋氏の説明によると、10月4日に広瀬知事が勇退を表明して以来、「大分のために汗をかかないか」といった声が各方面から寄せられたという。「国政はまさに内憂外患で、国難ともいうべき状況が続いており、しばらくの間、躊躇したが、自分のこれまでの経験がふるさとのお役に立つのであれば」と一度は、立候補の方向で進めていたが、知事選への期待の声がある一方で、「これからも国会議員として国や地方の課題に取り組んでほしい」という声も多く、日曜日に大分3区の県議団からも同趣旨の話があり、その日の夜に不出馬を決断したという。
「政治は決して1人でできるものではない。とりわけ、今日まで苦楽を共にしてきた支持者の皆さん、同志の皆さんの幅広い理解と賛同がなければ、心おきなく力を発揮することは出来ない。その声は重たく受け止めなければらない。知事選へのご期待をいただいた皆様には、そのご期待に添うことができず、誠に申し訳なく思っています。心からお詫び申し上げたい」と思いを語った。
今後については「自民党県連で協議をし、党が推薦なり支持なりを決めることになる。その決定にそって、応援をしたい。出馬を検討するに当たり、政策なども考えていたので、新しい知事にその思いを託したい。ふるさとを思う気持ちは変わらない。誰が知事になっても、国とのパイプ役となり、県政を出来るだけアシストしていきたい」と述べた。
現在、県知事選挙には、安達澄参議院議員と佐藤樹一郎大分市長が出馬を正式に表明しており、他にも立候補の動きがある。