立命館アジア太平洋大学(出口治明学長、APU)は17日午後0時、別府ビーコンプラザで春の学位授与式を挙行した。学部生677人(うち外国人留学生183人)、大学院生34人(同33人)が卒業。開学以来初めて、西アフリカのギニアビサウとアフリカ大陸中央部のチャドからの学生が卒業した。
出口学長が「ご卒業、本当におめでとうございます。僕からは、3つのことをお話しします。1つは、自分に正直に生きてほしい。2つ目は、常に仲間を大切にしてほしい。3つ目は『人・本・旅』によって学び続けてください。皆さんのこれからの人生に幸多からんことを祈ります」と式辞。
仲谷善雄学校法人立命館総長、長野恭紘別府市長が祝辞。
出口学長から学部と大学院の代表者に学位記を授与。大学院博士後期課程修了生4人のうち出席したヌイョン・ミン・ホアンさん(ベトナム出身)、高須直子さん、ホ・マン・トゥンさん(ベトナム出身)に研究科長から博士のガウンを授与した。
卒業生を代表して、学部の安藤百福名誉博士栄誉賞の金本三夢さん(アジア太平洋学部)が「2020年の春、夢や希望は目前にして崩壊しました。現実を受け入れられず、宙に浮いた夢の残像を追い求め、もがき苦しんだのは私だけではないと思います。コロナ禍で、当初思い描いていたものとは大きく異なってしまいました。しかし、コロナのおかげで私たちの大学生活を私たちで作り上げるというチャレンジの日々があり、その集大成が本日です。ありがとうAPU、そして、行ってきます」。
大学院を代表して、バンバン・アグンプ・ラタマさん(経営管理研究科)=インドネシア出身=が「私たちには、それぞれが語るべき特別な物語を持っています。APUで過ごした時間は、思い出に残るポジティブな経験や、困難を伴う経験に満ちていて、まるでジェットコースターに乗っているかのようでした。人生は常に計画通りに進むとは限りませんが、努力、強い決意、適応しようとする意欲があれば、不可能なことはありません」とそれぞれあいさつをした。
最後に全員で、キャップトスをし、それぞれの旅立ちを祝った。
卒業生の約51%が東京都を拠点とする企業に就職が内定しているが、外国人留学生6人が大分県内で就職し、5人が起業を予定しているという。