別府市は第4回「せーので測ろう!別府市全域温泉一斉調査」を16日午前9時、市内全域で実施した。NPO法人別府温泉地球博物館共催。約40人が参加した。
市民や温泉愛好家など、普段から温泉を利用している人に調査を体験してもらうことで、温泉の科学的な部分も触れてもらうとともに、資源としての温泉を考えてもらう機会にしようと平成28年度から実施している。
午前中は、10班に分かれて泉源のある施設43カ所を訪れて、泉源の温度を測るとともに、温泉を容器に入れて持ち帰った。今回は、事前調査を含めて65カ所を採水した。持ち帰った温泉は、機械を使って、電気伝導度測定を行った。
午後からはシンポジウムを開き、藤井賢彦北海道大学大学院地球環境科学研究院准教授が「エネルギーと水のネクサス」、宮下雄次神奈川県温泉地学研究所主任研究員が「別府地域の地下構造」、山田誠・龍谷大学経済学部現代経済学科准教授が「市民参加型一斉調査」、馬場健司東京都市大学環境学部環境経営システム学科教授が「別府の将来シナリオ」と題して、それぞれ講演を行った。
また、シナリオワークショップもあり、2班に分かれて別府の温泉資源の保全や活用などについて将来像について語り合った。参加者からは「温泉が出てきて使うことだけではなく、温泉が出来るまでの循環についても考えることが大切ではないか」「泉源を持っている所が空き家になって、売買される際に、泉源も格安で売ってしまうケースがあるのではないかと思う。新たに掘ることが出来ない現状では、泉源も投資の対象。海外資本も入ってきているので、そういった対策も必要になるのでは」など、幅広い意見が出た。
調査の結果は、インターネット上で公開する。