JNTOが認定案内所を表彰

地域と連携したワンダーコンパスベップが表彰された

 日本政府観光局(蒲生篤史理事長、東京都)=JNTO=はこのほど、認定する外国人観光案内所(1519カ所)の取り組みを初めて表彰。連携強化部門で、JR別府駅東口のバス停前にある「ワンダーコンパスベップ」が選ばれ、全国1位と評価された。
 JNTOは、訪日外国人観光客の拡大を通じて、経済の発展や地域活性化、日本のブランド力向上、国際的な相互理解などを目的とした団体。コロナ禍の水際対策で訪日外国人が減っていたが、昨年10月の規制緩和以降、再び多くの外国人観光客が訪れるようになり、観光案内所の役割は、増々重要になることから、質の向上を期待し、表彰を行った。
 表彰は▽多言語コミュニケーション・ホスピタリティ・提案力の磨き上げ(3つのカテゴリーから1カ所ずつ)▽ユニバーサル対応▽連携強化ーの3部門で、5団体。認定案内所は3つのカテゴリーに分けられており、ワンダーコンパスベップは、少なくとも英語で対応可能なスタッフが常駐し、広域の案内を提供している「カテゴリー2」。旅行者の周遊を促すため、市内の観光施設や温泉施設、飲食店等と連携したオリジナルの施設クーポンを作り、地域の観光事業者との連携を強化したことが評価された。
 ワンダーコンパスベップは、2019年4月にオープン。別府観光を中心としながらも、県内各地のパンフレットなども置いており、ゆったりと過ごせる空間となっている。スタッフは常時5~7人。英語だけではなく、多言語に対応。ラグビーW杯日本大会の時は、大いに実力を発揮し、フル回転で活躍した。
 コロナ禍で観光客が減ると、3年間、県から委託を受けて各市町村で研修を行った。オンライン会議にスタッフも参加し、自ら体験し、各地の観光関係者とより深くつながることで、広域連携強化を図った。クーポンでは、最後にくじ引きなどを行うことで、ワンダーコンパスに戻ってきてもらい、感想を聞くなどして情報を事業者にフィールドバックできる工夫もした。
 運営を行う、一般社団法人別府市産業連携プラットフォームBーbizLINK・BIP事業部の稲積京子マネージャーは「各地の案内所と連携することで、お客さんは、ここで聞いた場所に行った時に『別府から聞いてますよ』と言われると、安心感が違う。ネットで何でも調べられる時代ですが、コロナ禍で研修を重ねたことでスタッフも自分で体験したことは、感情をのせて愛と情熱を持って案内できる」と話す。
 多い日で1日で400~500人の利用があり、取材中も外国人観光客を中心に、次々と人が訪れて観光ルートや宿泊先等の相談をしていた。
 今後も、広い視野で連携強化を図り、観光客のおもてなしに力を入れていく。