大分県内の14市の福祉事務所長会議が22日午後1時半、別府市役所で開かれた。
福祉行政を円滑に進めるため、14市の福祉関係者が一堂に会して福祉を取り巻く課題について意見や情報交換を行うのが目的。
開催市の阿南寿和別府市副市長が「福祉を取り巻く環境は、財政面でも厳しいものがある。別府市では、民生費が一般会計の50%を超える厳しい状況を踏まえ、福祉サービスの在り方検討委員会を立ち上げ、11事業について意見をいただきました。県と相談をしながら、持続可能な福祉サービスを議論していきたい」とあいさつ。
幸清二県福祉保健企画課長は「支援を要する人は増えていて、介護と子育ての悩みを持つWケアなど、複合的な問題が顕在化しています。大きな災害も頻発しており、福祉避難所の整備も必要です」と述べた。
会議では、県に対して、障害福祉サービス支給量(自立支援給付費事業)の適正化や児童養護施設退所後の就労への取り組み、子ども医療費助成範囲の拡大などについて要望が行われた。県からは、県地域福祉基本計画の素案などについて概要説明があった。
協議では、介護サービスと障害サービスの併給利用、医療ケア児の受け入れ状況、令和3年1月から始まる被保険者健康管理支援事業などについて各市の取り組みを出し合い、課題解決へのヒントを探った。
特に、改選期を迎えている民生委員児童委員の選任については、どの市も人材確保に苦慮しているようで「自治会長が兼任するケースが多く、1人に負担が大きくなる」「要件の人格者という表現では、ハードルが高い。表現について、県から国に働きかけてほしい」「市町村合併で地域ごとにルールが違い、統一が難しい」「区長が1年ごとに変わる地区も少なくなく、選任をお願いするのに苦労する」などの意見が出て、多くの市が同じような課題を抱えていることが浮き彫りになり、互いの取り組みについて熱心に話を聞いた。