時事通信社主催、情勢懇談会②

強力に施策を推進すると広瀬大分県知事

 ③人を大切にして、人を育てる=働き甲斐のある職場を提供する。H29年8月に「おおいた働き方改革」の共同宣言を行った。一般労働者の年間実労は全国平均2010時間に対し大分は2050時間。年次休暇の全国70%に対し大分は52%、男性の育休は全国13%に対し6・8%、25~44歳までの女性就業率は77%に対し78・6%。県では県内6地区で経営者向けに働き方改革の意義や先進的な取り組み事例を紹介して、経営トップの意識改革を図っている。
 ④基盤を整え、地域を活性化する=地方創生を進めるためには広域交通ネットワークの充実が不可欠。
 中九州横断道(朝地―竹田開通)、中津日田道(中津―日田開通)、東九州自動車道(宇佐―院内、宮河内―津久見の4車線化着手)、大分空港迄(4車線化延伸)
 九州東の玄関、中津、別府、大分、佐伯の各港の充実整備を行い、航路拡大を図っている。
 東九州新幹線、全国知事会で整備路線への格上げを本格化させている。ここで勝負をかけていきたい。
 移住定住対策、UIJターンの促進については、移住者(UIJターン)はH26年292人、H29年1014人、H30年1128人、福岡からが30%、首都圏が22・7%、福岡以外の九州各県からが17・8%、福岡中心市街地に情報収集の拠点を設け、県下各市町村担当が気軽に利用できる施設を置いた。
 小規模集落対策のネットワークコミュニティーの構築として永住住民と地域活性化の取り組みを一元化させて対応。集落機能を補完しあっているところ。
 この他、先端技術の導入とくにIOTや人工知能、ロボット、ドローンの導入を図り、積極的に事業分野での利活用を図っている。買い物難民を出さないためには、物流分野に参入したり、また遠隔地に置いたロボットをリアルタイムに操作して体験型観光や社会見学など観光、教育、エンターテイメントの各分野での実証実験を重ね、地域の課題解決の一助として活用したい。地方でこの活動をくり返せば、国の法整備や予算対応は必ず後追いしてくる。
 ⑤[強靭な県土をつくる]=何十年に一度という大雨が毎年来る。1時間に50ミリ以上の年間発生回数は30年前に比べて1・4倍の年間238回に及ぶ。大規模災害に備えた治山治水対策を急いでいる。ハードとして玉来ダムはR2年までに完成。ソフトとして監視カメラの増設、基礎調査の完了をはかる。また、「南海トラフ」を想定した防災対応検討ガイドラインに対応した県民周知の徹底を掲げて対応しているところ。津波や震災による被害をいかに最小限におさえていけるか、徹底的に追及していく。
 ⑥[むすびに]=今年は「一生に一度」というラグビーW杯がやって来る。インバウンドの拡大を図っている。アジア地域からの来訪に加え、欧米からの入り込みに期待し積極的に対応、W杯終了後も欧米をはじめとする未知の分野にも積極的に足を延ばしていきたい。
 「大分県版地方創生」は思い切った施策を次々に実行して、成功に導いていきたい。皆さんと力を合わせて乗り切っていきたい。ご支援ご協力をよろしくお願いします―。おだやかな口調ながら、諸課題解決の具体策には、闘志と自信をみなぎらせ鋭い視線を見せた。(おわり)

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