別府市は夜間の市民や観光客の交通手段として、25日から無料のナイトバスの運行を始めた。3月30日までの毎週金・土曜日(年末年始を除く)に国道10号沿いの北浜バス停から出発する。
新型コロナが5類に移行されて以降、多くの人が夜の街で飲食を楽しむようになった。一方で、バスやタクシーの公共交通は、コロナ禍で起きた人手不足の解消に苦労をしている状況が続いている。そのため、市では、県外からの運転手の移住・定住に支援金を出したり、免許取得の補助を出すなどの施策を行っているが、成果が出るにはまだ時間がかかると見られ、その間の移動手段の確保として、ナイトバスを走らせる。
乗車は、北浜バス停のみ。亀川方面、鉄輪方面、扇山方面の3コースがある。亀川方面は、午後11時15分と午前0時15分の2便で、別府郵便局、AMANE RESORT前、亀川駅、平田、娘田に停車する。
鉄輪方面は、午後10時30分、同11時30分、午前0時30分の3便。幸通り、宝泉寺、吉弘神社前、古寺、湯の川口、朝日、馬場、南原、鶴見病院東口、中部中学校前に停車する。
扇山方面は、午後11時47分と午前0時47分の2便で、朝日橋、荘園住宅前、竹の内、ベネフィットフォーユー前、ゴルフ場入口、扇山公民館前、南立石公園前、観海寺入口に停車する。乗車定員は25~29人で、定員に達したら出発時間前でも発車するため、「時間に余裕を持ってバス停へ」とPR。
午後10時15分に出発式が行われ、長野恭紘別府市長が「コロナの後遺症と言えるかもしれませんが、公共交通の運転手が離職し、リスタートという時になっても業界に戻ってくれない状況があります。遅い時間になると、帰宅難民の悲痛な声も聞かれます。公共交通機関には苦労して力添えをいただいていますが、根本的な解決にはなっていません。ナイトバスは根本的な解決ではなく、いろいろな対策をとっていきたい」とあいさつ。来賓の加藤信康市議会議長らが祝辞を述べた。
引き続き、ほろ酔い気分の乗客を乗せて、関係者に見送られながら第一便が出発した。