べっぷ男女共同参画フォーラム

LGBTQ当事者の
思いについて語る杉山さん

 別府市は15日午後6時半、ビーコンプラザで「2023べっぷ男女共同参画フォーラム」を開催した。約70人が参加。杉山文野NPO法人東京レインボープライド共同代表理事が「はじめてのLGBTQ~性の多様性と人権~」と題して講話した。
 阿部万寿夫副市長が「市民の皆さんの男女共同参画の理解を深めてもらうため、市男女共同参画週間の期間中に開催しているものです。LGBTQという言葉は、性的マイノリティの総称。市民の皆さんとジェンダー平等について考え、多様な生き方が尊重される意識づくりをしたい」とあいさつ。
 杉山さんは東京都生まれ、フェンシング元女子日本代表。日本初となる渋谷区・同性パートナーシップ制度制定に関わった。高校生の時に彼女から振られたことをきっかに、少しずつカミングアウトしていった。「生まれた時に性別が判定されて、出生届出され、育てられる。性はそんなに単純なものではなく、いくつかの要素が組み合わさってできているのではないかと思う。僕は、体は女子と生まれたが、自分は男の子だと思っていたし、女性が好きだった。大変だったのは、男女が二分されているトイレやお風呂。見た目の変化に合わせて使い分けていたが、外ではトイレにいかないようにしていた。そういう当事者は多い。当事者の生活実態とはまったく違う話がされている」と指摘。
 「当事者は、日常生活で疎外感を感じている。すぐに隣にいるのに、いないかのようになっている。性行為の話ではなく、アイデンティティの話。同性愛を気持ち悪いと思っていることと、気持ち悪いと言ってしまうことでは違う。正確な知識を身に着ければ、そんなに大きな問題にはならない。世界では、同性婚とは言わず婚姻の平等となっている」
 渋谷区のパートナーシップ制度を作った経緯を説明し「大きな話ではなく、身近な人が困っているなら何ができるのか、一歩を踏み出すこと。回りがウェルカムという雰囲気を出すことで『ウェルカミングアウト』が進められると思う。1人1つぐらいは、誰にも言えないマイノリティがあるのではないか」などと話した。