別府市農業委員会(久保賢一会長)は、コンプライアンス研修会を3日午後1時、市役所で行った。農業委員、農地利用最適化推進委員、事務局職員15人が参加した。
農業委員会では、元会長が農地転用に関係した贈収賄事件(処分保留で保釈)を受け、倫理規則を設けることにしており、改めてコンプライアンスについて考えるのが目的。
葛城和夫一般社団法人大分県農業会議専務理事兼事務局長が「信頼され、頼られる農業委員となるために…~コンプライアンスとリスクマネジメント~」と題して講話した。「ここ1年間で、全国的に農地転用に絡む不祥事は4件起きており、公務中の飲酒などもある。1件起きることで、全ての農業委員会も同じだと思われる。それを払拭することは、並大抵のことではない。法を守るだけでは社会には認められず、良識をしっかり守る事。皆さんは強い公共性のある職務で、公平、公正であり、説明責任を果たさないといけない。許認可を持っていることから、不祥事や誘惑と背中合わせだということを考えないといけない。倫理規則は、明確なルールを持って、要求などをはね返す材料となる」などと話した。
また、リスクマネジメントのため「ベテラン意識」を持たず、常に「なぜ」を考えて、第三者にも理解してもらえる説明が出来ることや、迅速な対応についても説明。「ルールを守ることは、組織を守ること。対応を1つ間違えると、信頼を失うことになる」と指摘。PDCA(計画、実行、チェック、見直し)サイクルをしっかり回すことの重要性についても話した。
研修終了後、久保会長は「身を引き締め、別府市の農業発展に努力していきたい。1カ月をかけて、委員会の再生のため市の力も借りて、思いを込めて倫理規則の原案を策定している。信頼回復に努めていきたい」と述べた。
引き続き、第13回総会を開き、議事終了後には「倫理規則のてびき(案)」について協議。倫理規則案では、報・連・相と組織的対応や通報に対する措置、違反講師に対する措置、禁止行為などを規定している。来年1月に開く総会で最終的な意見交換を行う予定。