町内全域をカバー「デマンド交通」

関係者に見送られながら、
「デマンド交通」が始まった

 日出町は2日から、町内の地域公共交通として「デマンド交通」の運行を始めた。
 日出町では、これまでコミュニティーバスを運行していたが、利用者の減少などにより新たな交通手段について協議を重ね、藤原地区でデマンド交通の実証実験を行い、町内全体での運行をスタートさせた。県内の自治体でも、地域を限定してデマンド交通を導入しているところはあるが、自治体全域での導入は県内初。
 「デマンド交通」とは、コミュニティーバスと違い、決まった運行ルートはなく、決まった時刻表もない。利用する人は、あらかじめ「利用登録」を行い、乗車希望日の3営業日前から1時間前に電話かインターネットで予約。予約に応じて家の近くまで迎えに行き、乗合で目的地まで行く。
 月曜日から金曜日(祝日・年末年始を除く)の午前9時から午後4時半まで。運賃は、300円(小中学生、障がいのある人及び介助者1人までは半額)。運行は、日出町タクシー協会が受託。旧来のコミュニティーバスは、南端線と大神線の2路線が残る。
 2日午前8時20分、町役場前で出発式が行われ、本田博文町長が「平成24年度からコミュニティーバスを運行し、多くの町民に利用していただきましたが、1台の乗車人数が少ないことが課題となり、新しい公共交通を藤原地区で行い、全域での運行を決めました。免許を返上する人は増えており、昨年は117人でした。生活の利便性向上に努め、多くの人に利用され、愛され、末ながく運行できることを願っています」とあいさつ。
 来賓の工藤健次日出町議会議長と佐藤元彦大分県東部振興局長が祝辞を述べた。運転を担当する、速見はとタクシーの高橋珪助さんが「住民の生活手段の確保のため、安全運転をします」と安全運転宣言をし、本田町長の合図で出発した。