新体操の日本代表として北京とロンドンのオリンピックに出場した、別府市出身の田中琴乃さんが5日午前8時40分、市立南立石小学校(安部恵校長)で3、4年生を対象に講演会を行った。
3年生51人に対して行った講演会では、はじめにボールを使って体を動かした。ボールをバウンドさせて背面でキャッチしたり、両足の裏で交互にドリブルをしたりゲームを楽しみながら、新体操に触れた。
引き続き、田中さんが「オリンピックという夢の実現」をテーマに講話。「新体操は男性もありますが、オリンピックでは女性しか競技がありません。5歳の時に、お母さんのすすめで新体操を始めて、練習が大好きでした。小学3年生の頃に、休み時間は大好きな校長先生のとろこに行っていました。そこでテレビでオリンピックの行進の映像が流れているのを見て、オリンピックを知りました。校長先生が『琴乃ちゃんオリンピック選手になれるよ』と言ったので、その日から、私の夢は、新体操でオリンピックに出場することになった」と振り返った。
その後、日本選手権で優勝し、日本代表合宿に参加することになった。「合宿に参加して、オリンピックに出るんだという強い気持ちと、家族へ感謝の気持ちの2つの気持ちを持ちました。しかし、常に痩せ続けていなければと思い、ご飯が食べられなくなった」。家族の支えもあり、北京五輪に出場するも、最下位に。「ここで、人生最大の後悔をしました。ショックで下を向いていて、応援してくれた家族に手を振ることが出来なかった。その時、私の夢は、オリンピックに出ることだけではなく、笑顔で家族に手を振ることだったと気づいた」。
ロンドン五輪では、キャプテンとして最後は笑顔で家族に手を振ることができた。「フープの子が下を向いていたので『お母さんはいるかな』と声をかけられたことは、とても良かった。まわりの友達を大切にして、頼り、頼られるような友達をつくってほしい」と話した。
児童を代表して、伊藤寧音さん(9)が「ボールでいろんなことが出来て、楽しかったです。ありがとうございました」とお礼を述べた。