別府市は17日、大分県内では初めて、公立小学校全校でオンライン英会話授業をスタートさせた。市内14校の小学6年生を対象に、タブレットを使って、海外にいる講師とつないで、コミュニケーション力の向上を図る。
別府市教育委員会では、小・中学校にALT(外国語指導助手)を配置しているが、6人で2~3校を受け持つため、すべての児童・生徒と関わることは難しい。グローバル人材育成事業として、立命館アジア太平洋大学の外国人留学生と交流をしたり、英語専科教員3人を6校に配置するなど、初等中等教育の段階からグローバル化に対応した取り組みを進めてきた。
一方で、コロナ禍で子どもたちは1人1台のタブレットを持つようになり、オンラインという新たなツールを使って、多様な学びが出来るようになった。これを活用し、フィリピンのセブ島で専門の研修を受けた外国人講師が児童と英語のみを使って、教科書に沿った英会話を教える。児童は2~3人が1グループとなって、直接会話をしながら授業を受ける。少人数で話をすることで、一人ひとりが会話に参加する機会が増え、「聞くこと」と「話すこと」の力をつけることが出来ると期待されている。
初日は、朝日小学校(新原克哉校長)の6年生91人を対象に実施。1組では、31人が11グループに分かれて、それぞれ講師と会話。夏休みに川や動物園、お祭りなどに行って楽しんだ様子を英語で説明し、子どもたちが復唱。最後は、ゲーム形式で夏休みの出来事を英語で答えた。子どもたちは時折、聞き取りに苦労しながらも、耳を澄ませて話を聞き、積極的に会話を楽しんでいた。講師も、子どもたちの様子を見ながら、聞き取れていないと思った時は、理解できるまでゆっくりと話をした。
伊藤蒼衣さん(12)は「(英語を)聞き取れた時はうれしくて、楽しかった。会話が出来ると、褒めてくれて良かった。聞き取れない部分もあったので、もっと聞き取れるようになりたい」と話した。
各クラス年間3回の授業を行う予定で、授業終了後は、講師が児童一人ひとりの評価を行う。