APUの出口学長の感謝の集い

自らが立ち上げたサステイナビリティ観光学部の
李学部長から花束を受け取る出口学長(右)

 今年末で任期満了を迎え退任をする、出口治明立命館アジア太平洋大学(APU)学長(75)の感謝の集いが18日午後6時、杉乃井ホテルで開催された。ゆかりのある約90人が出席した。
 出口学長は、京都大学法学部を卒業し、生命保険会社に入社。2006年にネットライフ企画株式会社代表取締役社長、2008年にライフネット生命を立ち上げ、2013年からは取締役会長を務めた。2018年、APUが初めて公募した学長に選ばれた。起業塾「出口塾」を立ち上げ、多くの学生に挑戦することの大切さを教えてきた。途中、病に倒れながらも学長に復帰した。来年1月からは、東京キャンパスを拠点に、学長特命補佐に就任する。
 仲谷善雄学校法人立命館総長が「APUは、サステイナビリティ観光学部を開学し、第2の開学を迎えた。出口学長は、ダイバーシティ、インクルージョンを体現する人」とあいさつ。
 来賓の佐藤樹一郎大分県知事は「出口学長は、碩学で知の巨人。リーダーシップで数々の実績をあげられた」。岩屋毅衆議院議員は「勇退されることは、本当に残念。教えは必ずAPUにおいてしっかりと堅持され、大きな進化、発展を遂げていくと思う」。広瀬勝貞前大分県知事は「いろいろ感謝しなければいけない。ベンチャーを大学で塾を開いて教えるというのは、なかなか出来ることではない。感謝する」とそれぞれ思いを語った。
 長野恭紘別府市長の発声で乾杯、出口学長の子ども時代からをビデオで振り返った。サステイナビリティ観光学部長の李燕氏らが花束や記念品を手渡した。出口学長は「6年間にわたり、APUの学長として、皆様には大変お世話になりました。途中で療養する期間もありましたが、皆様からの温かいサポートを受けて、無事に学長の任期を満了することができました。米山次期学長によってAPUが教育、研究、社会貢献の3本柱において、さらなる進化を遂げることを確信しています。教職員の皆さん、ここに集っていただいた皆様のお力添えをいただきながら、APUをもっともっと尖った大学にしてください。世界から集まった学生、卒業生と一緒に世界の未来創造に貢献されることを願っています」とあいさつし、最後は感極まる姿も。
 最後に、米山裕副学長(次期学長)が「APUは大分県、別府市の多大な支援と協力の下、学校法人立命館が新事業として2000年に総力をあげて開学した大学。ただ、その運営に当たっては、主要な役職者を立命館大学から派遣する『直轄統治』が続いていました。自分たちで学長を選びたいという教職員の希望を受けて世界から公募した結果、出口ライフネット生命代表取締役会長を選出した。出口さんが学長になったことは、APUが立命館大学とは別の大学として自立し、大分県、別府市と共に発展する大学を目指したことを意味している。今後もAPUの、大分県の別府市の九州の全国の日本のために、尽力していただきたい」と述べた。
 出口学長は、出席者一人ひとりと握手を交わし、著書をプレゼントして感謝の気持ちを表した。