社会貢献と地域振興に寄与

大林賞を受賞した
マルタ・アルゲリッチ氏(C)Rikimaru Hotta

 公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団は29日、都市研究のさらなる進展に貢献するため、都市に関する研究・考察活動をされている人などへの助成・顕彰などの活動を行っている公益財団法人大林財団から第13回大林賞を受賞することとなったと発表した。
 大林財団では、都市が抱える諸問題の解決に多大な貢献があった研究者をはじめ、都市のあり方や将来像に画期的な指標を与えた人や団体、またそれを実践した人や団体に対し、その功績を称えて隔年で「大林賞」を授与している。
 今年は、マルタ・アルゲリッチ氏、伊藤京子氏、公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団の共同受賞。
 世界を代表するアルゼンチン出身のピアニスト、アルゲリッチ氏を総監督として、盟友でピアニストの伊藤氏は総合プロデューサーとしてともに協力し、過去四半世紀にわたり別府アルゲリッチ音楽祭を通じて、世界的アーティストを別府の地に招き、若手音楽家や地元演奏家との交流を実現させてきた。結果、クラシック音楽は開かれた芸術となり、音楽を通じた社会貢献、地域貢献を実現してきた。また、同財団は、地域の人々とともに、心を育む豊かな社会の実現を目指し、行政と役割分担をしながら、これらの活動を継続実施してきた。▽芸術を核とした社会貢献と地域振興に寄与▽別府の活性化に対する貢献▽別府から世界に文化を発信されてきた実績―を3者の連携で成し遂げられてきた功績は、都市のあり方や将来像に画期的な指標を与えたと高く評価され、今回の共同受賞となった。
 過去の大林賞は、第1回(2000年)のアンコール地方遺跡保存整備機構総裁で上級大臣待遇(受賞時)のヴァン・モリヴァン氏をはじめ、第12回(22年)が台湾のソーシャル・イノベーション担当デジタル大臣のオードリー・タン氏まで12人が受賞しており、今回が初の3者共同受賞となった。