大分銀行別府支店(甲斐一義支店長)で9日午後4時45分、強盗対策模擬訓練が行われた。
年末年始に向けて防犯意識を高めるため、訓練を実施している。
生活安全課の男性警察官3人が強盗役に扮した。普通の客として入店した犯人2人は、1人がカウンターの行員に拳銃を突きつけて人質にして「こいつを殺すぞ」と他の行員の動きを制した。その間に、もう1人がカウンターに上がり、拳銃で威嚇しながら参加した全ての行員を壁際に移動させて、壁際を向かせた。そして行員の1人に「かばんに金を入れろ」と要求。男性行員がかばんを渡すが「もっとあるだろう」とさらに現金を要求した。
カウンターに上がった犯人がかばんをひったくり、男性行員を人質にした犯人も店外に逃走。3人目の犯人が乗って待っていた逃走用の車に乗り込んで、さらに逃走した。犯人を追いかけた行員は、カラーボールに見立てたピンポン玉を投げた。
その後、駆けつけた警察官2人に犯人の特徴などを伝えた。
訓練終了後、別府警察署生活安全課員が「行員の安全を最優先に考えられていた。犯人の服装などを覚えるように。また、遺留品があれば触らないように。犯人は下見に来ることがあり、顔を覚えられるのを嫌うため、行員が相手の目を見てあいさつすることが大切」と講評した。
甲斐支店長は「訓練で気づくことが多々ある。あいさつが抑止力になることが、改めて分かった。訓練のための訓練ではないので、実際に起こったら冷静に対処できるか、もう一度考えてほしい」と話した。