別府市は26日、自治体版ライドシェアとなる「湯けむりライドシェア(南部循環線)」の実証運行を開始した。令和7年5月まで。
公共交通の空白地帯での移動手段の確保のため、定時定路線での検証。平日の午前8時から午後1時までの間で、1日10便。湯都ピア浜脇をスタートしてJR東別府駅ー浜脇記念病院前ー仲良公園前ーゆめタウン別府ー村橋病院前ーサザンクロス前ー大分銀行前ー渡部内科循環器科クリニック前ー内田病院前ー加賀屋歯科前ー松原公園前ー住吉温泉前で停車して、湯都ピア浜脇に戻ってくるコース。2台で30分間隔で運行し、1号車は最大8人、2号車は最大5人乗車できる。
料金は、1乗車200円(小学生以下無料)で、市が行っている「ひとまもり・おでかけ支援回数乗車券」も利用できる。また、LINEを使って、スマートフォンから湯けむりライドシェアの現在地が分かるサービスもある。登録は無料。運転手は、交通安全講習や救急救命講習、接客研修などを受けている。運行管理は、みなとタクシーが行う。
出発式が午前7時半、市南部地区公民館で行われた。長野恭紘別府市長が「公共交通を担うバスやタクシーの運転手不足があり、全国的に2割ほど減ったと言われていますが、別府での体感はもっとあると思います。コロナ禍が開けて、社会活動は活発になっています。住み慣れた地域で自由に行動するためには、地域の公共交通がマストです。関係者と協議を続け、いわゆる自治体ライドシェアを走行できることになりました。課題はまだあると思います。どういう公共交通が良いか、アップデートして皆さんの使い勝手が良いようにしていきたい」とあいさつした。
来賓の加藤信康議長は「南部地域がさらに発展する足掛かりになればと思います。議会としても、本格運用ができるようにお手伝いしていきたい」。吉田隆市自治委員会南地区支部長も「利用する人がいないと成り立たないので、地域の多くの人に利用してもらいたい。課題を1つ1つ解決しながら、住民の重要な足となるように期待しています」とそれぞれ述べた。
午前8時、地域の人がさっそく乗り込んで第1便がみんなに見送られながら出発した。