別府市消防本部は13日午前9時、市内の医師2人、看護師2人を「一日救急隊長」に委嘱し、救急現場を体験した。今年で35回目。
救急医療および救急業務に対する市民の理解を深め、かつ救急医療関係者の意識の高揚を図ることが目的。
4人に委嘱状を手渡した浜崎仁孝消防長は「新型コロナウイルス感染症は5類へと下がりましたが、本市における救急出動件数は今年も過去最多になる見込みであり、救急業務の重要性ならびに、市民の救急隊に対する信頼はますます高くなっております。一日救急隊長としての業務を行うことにより、市民の皆さんの理解を得ることはもとより、医療機関と消防機関の相互の連帯感がますます深まるものと確信しています」とあいさつ。
別府医療センターの中村拓哉看護師(27)は朝日消防係救急隊、鶴見病院の黒川周医師(25)は本署第1消防係救急隊、中村病院の安藤健明医師(49)は浜町消防係救急隊、別府中央病院の岩﨑竜舞看護師(26)は亀川消防係救急隊にそれぞれ配属された。
委嘱状の交付中、「救急入電中」のアナウンスが流れたため、本署救急隊が出動。委嘱前だったため、黒川さんの出動はなかった。その後、4人は救急車で資器材の説明を受けていたとき、またも「救急入電中」とのアナウンスが流れ、朝日救急隊が出動することになり、中村看護師も救急車に同乗して現場に向かった。
午後からは、消防職員と一日救急隊長らとの意見交換会が行われた。
一日救急隊長に任命された黒川さんは「普段、別府の医療に携わっていますが、救急隊にふれる場面があまりないので、患者がどのような場面で救急車を呼んで救急隊がどのような対応をしているのかなどの過程を知りたい。普段、救急隊が病院側に対して思っていることや要望を聞いてみたい。意見交換会がこれからの連携につながれば」と話した。