別府市教育委員会は、新図書館等整備において、新たな学びの場づくりや多様な活動などをが生まれ、動き出す拠点づくりを実践的に行う「アントレプレナーシップ教育プログラム」を20日午後6時、市コミュニティーセンターで行った。小・中学生や外国人留学生、一般の大人など約40人が参加した。
新しい図書館の可能性や創造性を表す、実証事業。生徒自らが興味、関心のあることを主体的に行動し、吸収していろんな人と交わることで得られる「学び」を新しい図書館で実現していくのが目的。
講師は、別府市生まれ、別府市育ちの渡邉賢太郎おせっかい社かける共同代表COO。渡邉さんは、立命館アジア太平洋大学を卒業後、現在は東京で起業支援を中心に活動をしながら、アントレプレナーシップ教育プログラムを全国で行っている。テーマは「世界に触れて、アナタにとっての面白い『まなび』を一緒に考えよう!~みんなの大好き!をタネにして新しいまなびをデザインしよう~」。
はじめに渡邊さんが「何のために勉強するのですか」と問いかけると、中学生は「選択肢を増やすため」「将来の仕事のため」などと答えた。渡邉さんは「自分でつくりたい未来をつくりだす力を得るために、何を学ぶべきかは、時代ごとに変わっていく。変化が激しい時代の中で、半年後は今使っているものが使えなくなっているかもしれない。自分でやりたいことをつくる力を養うには、小さくどんどん試すこと。ステップは3つしかない。理想を描き、試し、小さな成功体験を得ること」と話した。
大好き×困った=新しいサービス
ワークショップでは、4人ずつ8班に分かれて、まずは自分の「大好きなもの」と、自分や回りの人の「困ったこと」を付箋にたくさん書きだして、グループ内で発表した。続いて、付箋を「大好きなもの」と「困ったこと」ごとにグループ内で1つにして文字が見えないように裏返すと、それぞれ1枚ずつめくって、出てきたワードを組み合わせて、1つのアイデアを生み出していく作業を行った。突拍子のない、関係のないもの同士の組み合わせになることも多く、柔軟な発想と瞬発力が試される。
iPodが好き×温泉の温度が熱い=iPodを使って、自分のところだけ温度を変えられるシステム。ゲームが好き×お母さんが息子に口喧嘩で負ける=口喧嘩ゲームを作る。ピアノが好き×朝起きれない=朝になると勝手にピアノが鳴り出して、怖くなって起きるシステム。想像することが好き×先生によく怒られる=逆に先生を怒ることを想像する。温泉が好き×お弁当のレシピに困る=温泉の掲示板でお弁当レシピを募集する。
一見、突拍子もないアイデアもあるが、大人も子どもも大胆な発想で239ものアイデアが飛び出した。
渡邉さんは「このアイデアのすべてが、誰かの大好きと誰かの困ったで出来ている。これを実践できれば、自分も他人も笑顔になれるはず。これらを試すために必要なことは、描く、試す、出会うこと。試すと学ぶを繰り返すこと」と話した。
参加者は、自分にない発想に驚いたり、関心したり、新たな刺激を受けた様子だった。