
別府市議会令和7年第1回定例会は10日午前10時、本会議を再開。令和7年度当初予算案以外等の議案について、総務企画消防、観光建設水道、厚生環境教育の各常任委員会に付託された20件の審査結果が報告された。
森山義治総務企画消防委員会委員長は「総務課関係では、別府市新港町にあるシルバー人材センター跡地と旧朝日出張所跡地の一部について、市有地を売却し土地売払収入の追加額、2億744万6千円を補正計上する旨の説明があった。委員から、シルバー人材センター跡地の維持管理費について質疑がなされ、当局から、建物の解体後は維持費はかかっていないが、売却に至るまでの期間に土地の貸し付けは行っていた旨の答弁があった。政策企画課関係部分では、新しい地方経済・生活環境創生交付金3471万6千円は、大規模災害時における避難所の環境改善を推進するための資機材購入費に対する交付金として補正計上するものとの説明があった。委員から、令和7年度の見込みについて質疑がなされ、当局から、国の令和7年度当初予算にも計上されており、最大限活用していくとの答弁があった」などとし、他にも住居表示などの条例についても審査。また、物価高騰対策について委員から「スピード感を持って対応を」と要望があったと報告。
穴井宏二観光建設水道委員会委員長は「観光課関係部分では、令和6年の台風10号で被災した神楽女湖しょうぶ園の雨水排水設備修復やアスファルト歩道の整備について、年度内の工事完了が困難となったことから、繰越明許費を補正計上しようとするものとの説明があった。委員から、工事が遅れている理由について質疑があり、当局より、工事と並行して行われている花しょうぶの栽培との兼ね合いで工事が遅れた旨の答弁があった。農林水産課関係部分では、令和6年の台風10号による災害が、国から激甚指定されたことにより国庫補助率が増加したことに伴い、補正計上している旨の説明があった。委員から、復旧工事の進捗について質疑があったのに対し、当局から、作付けに間に合うように取水機能の確保に向けて取り組んでいるとの答弁があった」と述べた。他にも、国の追加補正により、南原児童公園遊具長寿命化対策工事を前倒しで行うことや、旧平尾邸の管理を一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォームB―bizLINKに行わせるとの説明があり、委員から、今後、コンセプトを示すように要望があったと報告した。
安部一郎厚生環境教育委員会委員長は「生活環境課関係部分では、電気料金負担軽減に要する経費について、補助金総額を追加し、省エネ性能の高い家電製品の購入費に対する補助金の上限額を引き上げるとの説明があった。高齢者福祉課関係部分では、社会福祉施設の負担軽減を図るため、電気料金等高騰分を市負担分とし、養護老人ホームに対し、171万5千円、それ以外の施設について2104万円を計上すると説明があり、委員から対象となる施設数に関する質疑があり、当局から入所、通所及び訪問事業所を合わせて、579事業所が対象との答弁があった。学校教育課関係部分では、市内の小中学生とその保護者等に対して、大阪・関西万博に参加する機会を創出するため、交通費及び入場料について、小学生及び保護者等については1万5千円、中学生は3万円を上限に補助を行うため、7800万円を計上するとの説明があった。委員から受給までの流れと保護者等の範囲について質疑があり、当局から行程終了後、領収書などを提出してもらい、確認の後、支給となることや保護者等については、第3親等以内としているが、さまざまなケースに対して、今後、検討し対応していきたいとの答弁があった」などと報告。
各委員会ともに、上程中の議案について原案通り可決となったことを報告。美馬恭子氏(日本共産党)が一般会計補正予算案の大阪・関西万博学習体験経費と別府市放課後児童健全育成事業の設置及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について「交付金を活用した万博支援事業は、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の趣旨から逸脱しているのではないか」「園児・児童数は減少しているが、学童の在籍数は増えている。経過措置の延長は、学童クラブにとっても負担が継続することに他ならない」などと反対討論をした。採決の結果、一部多数決によって、全議案が原案通り可決された。
さらに、議員提出議案として、市議会委員会条例の一部改正(委員定数の変更など)が提出され、可決。常任委員会委員の任期満了に伴い、新たな委員を選任し、各正副委員長を選んだ。
11日から13日までは、全議員で構成する予算決算特別委員会が行われ、令和7年度当初予算案などについて審査が行われる。