風呂本にある市有区営温泉「上人湯温泉」が11日から、湧出量不足で休館している。
上人湯温泉は、昭和14年に開館。平成元年に建物の老朽化により建て替えている。
地元温泉の関係者によると、令和元年夏ぐらいまでは、湯も高温で多く出ていた。しかし、同時期ぐらいから湯量が少なくなった。同年12月に入ってから、かなり少なくなっており、体感的に半分ほどになったという。翌年の令和2年1月16日、湯量について温泉課と話し合った。その際、泉源などをバルブ調整をしている。2月に入ってからも湯量が少なくなり、組合員で「大事に使おう」と決めて入浴した。3月2日、これまでは一般客も100円で入浴できていたが新型コロナウイルスの感染防止のため、一般客の入浴を止める。8日、さらに湯量が減り、入湯制限をし、男湯と女湯を交互に使う。9日、温泉課に連絡。源泉の湧出量を計った。10日、同温泉に湯が溜まらなくなる。温泉課も止まったことを確認。11日、同温泉に「休館」のお知らせを貼った。
上人湯温泉組合は、緊急役員会を実施。組合員70人は、周囲の温泉へ行くようにしている。地獄蒸し工房東側にある足湯は昨年10月18日から、足蒸しは今年2月20日から停止している。なお、足蒸しは配管老朽化により停止していることが分かった。
近隣に住む浜田博前市長(82)は「上人湯温泉に入って80年で、初めて止まった。源泉の湯量が減るとは危機的状況で、非常事態だと思う。他の源泉でも起こりうることかもしれない。また、足湯や足蒸しなどは地獄蒸し工房の待ち時間に利用する人が多く、早い再開を望んでいる」と話した。
野田哲也温泉課長は「鉄輪泉源を調査した結果、湯量はわずかしか出ていない。しかし、噴気はいつも以上に出ていることが分かっている。ここから配湯している旅館などが、5、6件ある。地獄蒸し工房の東側にある足湯も停止している。現在、調査しており、対応策を検討している」と話してはいるが。