ドクター「アキノ」コロナを斬る!③

▽解説者=公明党参議院議員(医学博士)=秋野公造氏

上気道、下気道の構造図解

Q・新型コロナウイルスのワクチンや治療法はありますか?

A・残念ながらワクチンも治療法もありません。
 世界の研究機関や企業はワクチンや治療薬の開発を急いでいますが、新型コロナウイルスの増殖を抑える効果が期待できる既存薬の有効性を調べる研究も活発化しています。抗インフルエンザ薬の「アビガン」、エボラ出血熱の治験薬「レムデシビル」、抗HIV薬の「カレトラ」抗マラリア薬の「プラケニル」、気管支喘息の治療薬「オルベスコ」、膵炎の治療薬「フサン」、関節リウマチの治療薬「アクテムラ」などが検討されています。ただし、これらの既存薬は検証例が少なく、大きな副作用の問題もあります。
 さて、普通の風邪の場合、ウイルスの侵入は上気道までに留まりますので、風邪のことを急性上気道炎といい、症状は鼻水、咳、のどが痛いなどです。
 一方、新型コロナウイルスに感染すると、風邪のような症状が最初の5~7日続いて、多くの方は回復しますが、中には重症化して色のついた痰や呼吸困難といった肺炎の症状が出る場合があります。すなわち軽症の場合はウイルスの侵入を上気道に留めたことになりますが、肺炎を起こして重症化した場合は、上気道からさらに奥の下気道までウイルスの侵入を許したことになります。喫煙者が重症化しやすいとされる理由は、気道が痛んでおり、下気道までウイルスの侵入を許しやすいことが考えられます。
 なお、新型コロナウイルスは下気道で増えやすく、重症肺炎につながりやすくなります。重症化するかしないかの分かれ道が自らの抵抗力によることを考えると、あらためて日頃から栄養と睡眠を充分にとって体調を整えることはとても重要です。中でも風邪のような症状がある時はこじらせないことが重症化の予防に繋がりますので、安静に療養してください。

Q・PCR検査とは何ですか。

A・新型コロナウイルス感染の有無を調べる「PCR検査」とは、polymerase chain reactionの略で、ポリメラーゼ連鎖反応という意味です。鼻の奥や喉の粘液から新型コロナウイルスの遺伝子を取り出して増やして見つける方法です。結果が得られるまで4~6時間かかっていましたが、1時間程度で結果が得られる機器も導入されました。
 感染している人を陽性と判断できる確率を「感度」といいます。新型コロナウイルスに対するPCR検査の「感度」は7割程度と言われており、3割は陰性と判定されます。陰性と判断されたのに、後から発症する例が出るのはそういう理由からです。
 そんなPCR検査ですが、鼻や喉の粘膜を採取する作業には飛沫感染の危険がつきまとい、医師等は個人防護具を一回の検査ごとに着替えます。検体を送る際には二次感染に気を付けて、質を落とさないようドライアイスで検査機関に送ります。検査機関では熟練した技師が前処理をしてようやくPCR機器にかけます。このように手のかかる検査です。  (その④つづく)

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